【90年代少年漫画】ジャンプ黄金期の人気漫画11選【1991年/1995年】

少年漫画人気ジャンプ作品

1990年代の週刊少年ジャンプといえば「SLAMDUNK」「幽☆遊☆白書」「るろうに剣心」…など誰しもが知っている有名漫画が多数掲載されていた黄金期として語られることが多くあります。

先に挙げた人気漫画が掲載されていた当時のラインナップはまさしく黄金期と呼ぶにふさわしいでしょう。

今回は少年ジャンプの発行部数が600万部(集英社による推定部数)を超えていた時期に掲載されていた漫画を中心に振り返ってみたいと思います

発行部数で見る週刊少年ジャンプの黄金期

発行部数で当時の少年ジャンプを見てみると、発行部数500万部を初めて超えたのが1989年の3-4号、600万部を初めて超えたのがその2年後の1991年3 – 4号で602万8,000部。

歴代最高部数を記録したのは1995年3 – 4号での653万部となっています。

1995年のこの号はギネスブックにも登録されているとか。1996年の新年号を境に表紙には発行部数が掲載されなくなりました。

発行部数で考えると週刊少年ジャンプの最大の黄金期とは1991年~1995年あたりと捉えることができます。

そんな少年ジャンプの黄金期中の黄金期を支えた作品にはどんな漫画があるのでしょうか。

DRAGON BALL(ドラゴンボール)(1984年~1995年)

DRAGON BALL 完全版 1|集英社コミック公式 S-MANGA

あの伝説のコミック「ドラゴンボール」が完全版になって帰って来た! ブックカバーは全て鳥山明先生の描き下ろし。カラーページも忠実に再現。孫悟空とブルマの「ドラゴンボール」を探す旅が、ここに始まった!

90年代少年ジャンプの筆頭といえば鳥山明先生の名作「ドラゴンボール」は、今や世界中の誰もが知っているほどの知名度を誇り、現在第一線で活躍する漫画化にも多大な影響を与えました。

アニメ化やゲーム化は勿論、数多くのメディアミックスをおこなっており遂にはハリウッドで実写映画化までされました。

「ドラゴンボール」の連載が始まった時期である1984年の発行部数は約300万部ほどでしたが、1990年頃には500万部までグングンと伸び、「ドラゴンボール」の人気が少年ジャンプの人気を押し上げた要因の一つであることは間違いないでしょう。

連載終了年の1995年に最大発行部数を記録したのも、「ドラゴンボール」の人気が少年ジャンプの発行部数に大きく影響していた表れではないでしょうか。

最終回では魔人ブウ編から10年後の世界が描かれて「ドラゴンボール」は幕を閉じましたが、魔人ブウ編の辺りからはいよいよ「ドラゴンボール」も終わるのか、と感慨深い気持ちになって漫画を読んでいたものです。

SLAM DUNK(スラムダンク)(1990年~1996年)

SLAM DUNK 新装再編版 1|集英社コミック公式 S-MANGA

中学時代、50人の女の子にフラれた桜木花道。そんな男が、進学した湘北高校で赤木晴子に一目惚れ! 「バスケットは…お好きですか?」。この一言が、ワルで名高い花道の高校生活を変えることに!!

スラムダンク」ほどファンに愛されている漫画もないのではないでしょうか。今でも根強い人気を持ち、90年代の子供たちにバスケットの面白さを教えてくれました

アニメ化もされ、こちらにも根強いファンが多く、アニメ版のオープニングでモデルとなった江ノ島電鉄 鎌倉高校前駅周辺には今でも写真を撮りに来る方が多く週末は賑わっています。この聖地巡礼には海外からもファンが訪れるくらいなので、その人気の高さがうかがえます。

スラムダンクの連載期間は、1990年から1996年と発行部数が600万部の時期にぴったりと符合します。1990年代前半には「ドラゴンボール」も「スラムダンク」も一冊の雑誌で読めたなんて何とも贅沢な時代でしたね。

幽☆遊☆白書(1990年~1994年)

『幽☆遊☆白書』ジャンプ ベストシーンTOP10|集英社コミック公式 S-MANGA

今では遅筆を擬人化したかのような冨樫義博先生による少年ジャンプの名作「幽☆遊☆白書」も黄金期のヒット作品の一つ

一回死んだ不良少年・浦飯幽助が霊界探偵として生き返り仲間たちと活躍する冒険アクション。80年代の少年ジャンプ作品とは異なり、蔵馬と飛影といった女性受けするキャラクターが活躍したのも斬新でした。1992年にはアニメ化もされ、漫画共々大人気でした。

富樫先生の持病の悪化を理由に連載は終わることとなりますが、先生が元気で連載が続いていたらどんな展開になっていたかも気になります。

その世界観は現時点での連載漫画「HUNTER×HUNTER」にもフィードバックされており、巧みな心理戦やオリジナリティのある能力バトルが楽しめます。「HUNTER×HUNTER」の連載は1998年で、「幽☆遊☆白書」の終了から4年しか経っていないことにも驚きますね。

2019年には舞台化、2020年12月にはNetflixでの実写シリーズ化が発表。2023年12月に世界190か国での配信が決定しているなど現在でもメディアミックスが行われており、根強い人気を確認することができます。

ろくでなしBLUES(1988年~1997年)

ろくでなしBLUES 1|集英社コミック公式 S-MANGA

帝拳高校にとんでもない奴がやってきた! 泣く子も黙る超弩級のノーテンキ喧嘩ヤロウ、その名も前田太尊!! 入学早々、反目しあう応援団とボクシング部の抗争に巻き込まれてしまった太尊、勝嗣、米示の3人。停学中のボクシング部主将の畑中が戻り、事態は混迷を極める!

少年ジャンプの黄金期を支えた漫画で忘れてならないのが、森田まさのり先生の「ろくでなしBLUES」

1990年代のジャンプ作品では珍しかった不良ジャンルの漫画でしたが、森田先生の高い画力で描かれた喧嘩シーンは迫力がありました。

背景も写実的でとことんリアルだったので舞台となっていた東京・吉祥寺をこの漫画で知った人は、実際に訪れた時に「本当にある!」と驚いたりしたとか。連載当時、吉祥寺の駅ビルだった「ロンロン」もよく漫画の中に登場していましたが、現在は「アトレ」に変わっており、当時の街の様子を知るための歴史的資料としても「ろくでなしBLUES」は重要な漫画です。

黄金期の少年ジャンプが面白かったのは、ファンタジー、、バトル・アクション、ギャグ・コメディなど掲載されている漫画のジャンルも幅広かったことが大きく、「ろくでなしBLUES」は当時の少年ジャンプの中でもスパイス的な役割も果たしていました。

花の慶次(1990年~1993年)

花の慶次―雲のかなたに― 1|集英社コミック公式 S-MANGA

「傾奇者」――。「傾く」とは異風の姿形を好み、異様な振る舞いや突飛な行動を愛することをさす…。時は戦国時代末期、ここに天下一の傾奇者がいた。その男の名は前田慶次!! 大軍に急襲された末森城を救うため、単身出陣した慶次だが!?

名作「北斗の拳」の連載を1988年に終わらせた原哲夫先生による「花の慶次」も少年ジャンプ黄金期の作品です。掲載時期は1990年から1993年の3年間と少し短いですが、戦国時代を舞台に傾奇者として自由奔放に生きた前田慶次の生き様を濃密に描いた「花の慶次」も人気がありました。

歴史小説の「一夢庵風流記」を原作とし、千利休・豊臣秀吉・石田三成といった歴史上の有名人が出てくるストーリーは子供にとっても読みやすいものでした。

原先生の特徴である、屈強な肉体を持つ大男たちの戦いや、男らしさを存分に堪能できる内容でした。眉毛が極太なのも1990年代初頭といった趣きがありますね。

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地獄先生ぬ~べ~(1993年~1999年)

地獄先生ぬ~べ~S 1|集英社コミック公式 S-MANGA

妖怪、霊、怪奇現象が多発する童守町で、小学校教師を務める「ぬ~べ~」こと鵺野鳴介。普段はドジで貧乏でモテないお調子者だが、愛する生徒たちがひとたびピンチになれば、無敵の武器「鬼の手」で命を懸けて戦う!最強の霊能力教師、見参!

鬼の手を持つ小学校教師・鵺野鳴介ことぬ~べ~が妖怪や悪霊から子供たちを護る学園霊能アクション漫画が「地獄先生ぬ~べ~」

妖怪や鬼といった存在は、いつでも子供たちにとっては興味津々。そして小学校が舞台だったので当時の読者にとっても共感しやすい要素は多かったのでしょう。連載は1999年まで続き、黄金期の少年ジャンプにおけるスタメン的な立ち位置で連載されていました。

実際に人気も高く1996年にはテレビ朝日系列でアニメ化もされました。「ドラゴンボール」や「スラムダンク」の連載が終わった1990年代後半の少年ジャンプを支えた名作ですね。

みどりのマキバオー(1994年~1998年)

みどりのマキバオー 1|集英社コミック公式 S-MANGA

日本競馬史上、かつてない珍馬・珍獣が出現。体は小さいが走るのは速い、犬の様な白毛馬、みどり牧場一の競走馬ミドリマキバオー!! 意気揚揚と新馬戦に臨もうとするが、華々しいデビューを飾れるか…!? 競馬界に旋風を巻き起こせ!! <おちゃめなコミック童話>みどりのマキバオー収録

競馬がテーマで主人公が馬の漫画は少年ジャンプでは珍しかったものの、過去には「銀牙 -流れ星 銀-」の例もあり、馬だろうが人だろうが熱い戦いを繰り広げていれば読者は受け入れてくれることを証明した漫画ではないでしょうか。

連載当初は人間と動物の関係が現実と同じでしたが、いつしか競走馬もネズミも人間と対等に話始めるのが少年漫画らしくて好きでした。

見た目は豚やカバに近い「ミドリマキバオー」がライバルの競走馬と鎬を削りながら競走馬として成長する姿を描きました。

ギャグの要素は強いものの、シリアスなストーリー展開もあり真面目な競馬漫画でもありました。

ジョジョの奇妙な冒険(1987年~2004年)

ジョジョの奇妙な冒険 第3部 スターダストクルセイダース 総集編 Vol.1|集英社コミック公式 S-MANGA

スタンド覚醒。624P! カラー完全再現&第3部序盤を収録!

「ジョジョの奇妙な冒険」も少年ジャンプ黄金期を語るうえでは外せない名作ですね。1990年代どころか日本の漫画史でも独特の作風で高い人気を誇っています。

少年ジャンプの黄金期である1991年~1995年頃は、

第三部:スターダストクルセイダース編(1989年3月20日 – 1992年4月14日)

第四部:ダイヤモンドは砕けない編(1992年4月21日 – 1995年11月13日)

第五部:黄金の風編(1995年11月20日 – 1999年4月5日)

といったジョジョの中でも人気の高いシリーズが連載されていた時期です。

やはりスタンドの登場から能力バトルに大きく方向転換した第三部「スターダストクルセイダース編」は読者の子供たちにも衝撃的でした。精神エネルギーを具現化して戦わせるといった発想は、後の漫画やアニメ、ゲームにも大きな影響を与えましたね

ストーリーとしても第一部から連なるDioとの最終決着が描かれているので、ファンの間でも人気が高いのも納得です。

るろうに剣心(1994年~1999年)

るろうに剣心 完全版 1|集英社コミック公式 S-MANGA

幕末の京都に血風を巻き起こした最強の剣客“人斬り抜刀斎”――その名もまた、維新が成り明治の世を迎えた今、人々の記憶には伝説として消え往くかと思えたが――。東京・活人剣道場“神谷活心流”に一人の流浪人が訪れた事から、物語は新たな幕を開ける。男の名は“緋村剣心”。ジャンプが夢見た明治維新、待望の完全版化!!

ジャンプ黄金期を支え、「ドラゴンボール」「スラムダンク」など人気作品の終了が相次いだ1990年代後半の少年ジャンプの看板作品として掲載されていたのが和月伸宏先生による「るろうに剣心」

1990年代後半になり、人気漫画が連載を終了すると、それまで600万部もあった週刊少年ジャンプの販売部数は1997年8月には450万部(実売推定408万1500部)にまで落ちてしまいます。

同時期の週刊少年マガジンの発行部数は440万部(実売推定413万部)となっており、猛追していたマガジンにジャンプが遂に部数で抜かれたこととなるのでした。

その後1997年に連載がスタートした「ONE PIECE」が大ヒットとなり少年ジャンプの看板作品になるまで少年ジャンプを支え続けたのが「るろうに剣心」でもあるのです。

こちら葛飾区亀有公園前派出所(1976年~2016年)

こちら葛飾区亀有公園前派出所 1|集英社コミック公式 S-MANGA

「やつらをひとりも帰すんじゃねえぞ!!」ガンマニアの中川と冬本が派出所を訪れ、拳銃談義に。そこに暴走族が出現し、両さんらは追撃を開始!!「早撃ち両さん!?の巻」他7編に加え、山止たつひこ笑劇場「交通安全’76」も収録。

こちらは1990年代どころか1970年代から2016年まで少年ジャンプの屋台骨を支えた「こちら葛飾区亀有公園前派出所」

「こちら葛飾区亀有公園前派出所」こと「こち亀」は、連載当初は主人公で破天荒な警察官の両津勘吉によるドタバタアクションコメディな内容が多かった印象ですが、100巻前後にあたる1990年代には当時流行していたおもちゃやゲーム、さらに未来を予見しているようなマーケティング的な話が掲載されるようになりました。

たまごっち、プリクラ、ポケモンなど取り扱った回もあり、1990年代の文化史としても「こち亀」は興味深いですね

DRAGON QUEST ダイの大冒険(1989年~1996年)

DRAGON QUEST―ダイの大冒険― 1|集英社コミック公式 S-MANGA

モンスターが平和に暮らすデルムリン島。その島で唯一の人間・ダイは、魔法が苦手だが勇者に憧れている少年。ある日、島を訪れた“勇者育成の家庭教師”アバンに才能を認められ、ダイは勇者になる特訓を開始! だが、そこへ復活した魔王が出現し!?

1990年代の少年ジャンプ黄金期にしっかりと掲載され、内容もレベルが高く面白かったのですが他の連載漫画がずば抜けて人気があったために存在がよく忘れられてしまうのが稲田浩司先生の「DRAGON QUEST ダイの大冒険」です。

1991年から1995年の発行部数600万部を超えていた時期にもしっかりと名を連ね、連載時期にはアニメ化もされるなど人気は高かったのです。少年ジャンプ同様に当時の子供たちに人気だった名作RPGゲーム「ドラゴンクエスト」のコミカライズ作品であったため、雑誌側のプッシュも強かったように思います。

しかし、シリーズ延長を考慮して制作されていたアニメもテレビ局側の都合により1年で打ち切りとなるなど、不遇のイメージが強かった作品でした。

根強いファンを持ち、作品としてのクオリティが高いとされながらも他の黄金期のジャンプ作品ほど大ヒットしなかった「DRAGON QUEST ダイの大冒険」ですが、なんと2020年に再アニメ化が決定しオールドファンを歓喜させました

まとめ

今回は、週刊少年ジャンプの黄金期とされる1991年~1995年に掲載されていた漫画を紹介しました

いつの時代も少年ジャンプは少年漫画誌の王道的ポジションですが、その中でも黄金期の作品は神掛かっている作品ばかりですね。

発行部数が600万部を超えていたのも納得の面白さでした。

1990年代の少年ジャンプ黄金期では、今回紹介しきれなかった漫画がまだまだ沢山あります。興味を持った方は他の作品を調べてみるのも面白いですよ。

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