【洋楽MV】90年代洋楽で流行ったミュージックビデオ9選を紹介します!

90年代 洋楽 MV ミュージックビデオ

1981年にアメリカでMTVが誕生したことは、音楽業界のパワーバランスを大きく変えました。MTVはパラマウントが開設した音楽やエンターテイメントに特化したケーブルチャンネルです。

MTVの大ヒットにより音楽業界にはMV(ミュージックビデオ)というコンテンツが生まれ、音楽を生業としているアーティストには、よりイメージやビジュアル戦略が必要とされることとなりました

この記事では1990年代に流行った洋楽MVを紹介します。

Smells Like Teen Spirit /  Nirvana (1991年)

1990年代を代表するロックバンド、ニルヴァーナは1991年にアルバム「Nevermind」でメジャーデビュー。

アルバムからのファーストシングル「Smells Like Teen Spirit」が予想外の大ヒット。一ロックバンドとしてではなく、ポップカルチャーのアイコンとして時代の寵児になっていきました。

「Smells Like Teen Spirit 」のMVは1990年代に巻き起こったグランジブームのエッセンスに溢れています。

高校の体育館を舞台にしたこのビデオでは、ニルヴァーナのファンがボランティアで観覧席を埋めていましたが、撮影が12時間にも及ぶと皆がイライラし始めて落ち着かなくなったと語られています

撮影終了間際、カート・コバーンがセットをゴミ箱に捨てようと提案し、学生風のエキストラが怒りと興奮状態でモッシュするという象徴的な映像が撮影されました。シングルは予想外のヒットとなり多くのリクエストが寄せられました。

ニルヴァーナは「Smells Like Teen Spirit 」のMVで、MTVミュージックビデオアワードでベストニューアーティスト賞とベストオルタナティブグループ賞を受賞しました。

Cryin’ / Aerosmith (1993年)

全米を代表するロックバンド・エアロスミスが1993年に発表したアルバム「Get a Grip」からのシングルカット曲「Cryin’」はビルボードチャートで12位にランクイン。

このMVは1993年に最もリクエストがあったというMVで、当時は若手女優として名前もまだ知られていなかった16歳のアリシア・シルバーストーンを起用。

アリシアが橋の上からジャンプするというショッキングな映像からMVはスタート、最後には浮気した彼氏を驚かすためのバンジージャンプというオチも秀逸です。

アリシアは「Cryin’」以外にも、ジェイソン・ロンドンとの 「Amazing」 (1993年) や、リブ・タイラーとの 「Crazy」 (1994)と立て続けにエアロスミスのMVに出演して人気を高めました。 

チェックのネルシャツ、ドクターマーティンのブーツ、ダメージデニム、ヘソピアスと、当時16歳のアリシアが90年代グランジファッションを体現しているのも見所です。

Virtual Insanity / Jamiroquai (1996年)

「Virtual Insanity」はジャミロクワイの最も有名なMVで、1996年のMTVミュージックビデオアワードで10部門ノミネート、ブレイクスルービデオ、ビデオオブザイヤー、ベストシネマグラフィー、ベストスペシャルエフェクトの4部門を受賞しています。

監督を務めたジョナサン・グレイザーはイギリスの映像作家で、映画やCM、数々のアーティストのMVも撮影しています。彼にとっての代表作ともいえるのが「Virtual Insanity」です。

ジャミロクワイのフロントマン、ジェイ・ケイがまるで床を滑るように移動しているこのMVは、初めて見た時は家具が部屋の中を滑っているように見えるのでかなりの衝撃を受けました

実際にはスタッフが人力で家具やセットを動かしているのですが、目の錯覚からか度肝をぬかれたものです。アシッドジャズをベースとしたポップな曲調と、ジェイ・ケイの存在感が映像の魅力をさらに高めています。

Praise You / Fatboy Slim (1999年)

スパイク・ジョーンズが映像監督を務め、ファットボーイ・スリムが1999年に公開した「Praise You」のMVは、フラッシュモブという概念を初めて世の中の人々に教えてくれました

フラッシュモブはYouTubeの出現とスマートフォンの普及で、2000年以降に世界的なブームとなっていきます。

1999年当時は、まだ誰もこのような映像を見たことがありませんでした。

ファットボーイ・スリムに「The Rockafeller Skank」のソロダンス・ビデオを送ったジョーンズは、「Praise You」のビデオのクリエイティブ・コントロールを任されることになり、ゲリラ的にビデオカメラで撮影を開始しました。

カリフォルニアの映画館の外で、架空のコミュニティ・ダンス・グループのフラッシュモブとして撮影された映像は画質や周囲の人々の反応もあって中々異質な出来栄えとなっています。

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Waterfalls / TLC (1995年)

TLCのシングルで全米ナンバーワンヒットになった曲は4曲あり、1995年にリリースされた「Waterfalls」は2番目のヒットナンバーです。

「Waterfalls 」は、HIV/AIDS、麻薬犯罪、麻薬関連の殺人という1990年代に広まった深刻な社会問題を歌った曲であり、曲調はロウ&スローなR&B。MVではメンバーが海辺で歌うシーンや滝の流れが象徴的に映し出されています

若者がドラッグや犯罪で堕ちていく姿を滝の流れになぞらえて歌っており、TLCが若者に対して「死に急がないで」とメッセージする、当時の社会背景を捉えたMVです。

Baby One More Time /  Britney Spears (1998年)

ブリトニー・スピアーズはこれまで40本以上のMVを発表していますが、デビュー曲である「…Baby One More Time」のMVが公開された時は全米が彼女の虜になりました。

私立高校の制服的なプレッピースタイルでおへそをチラ見せ、おさげ髪、学校内でのありとあらゆる場所でのダンスシーン。ブリトニーは、このデビュー曲のMVだけで彼女自身のイメージとキャラクターを確立したといっても過言ではありません。

MVのコンセプトや衣装は、当時16歳のブリトニーが監督のナイジェル・ディックにアイデアを売り込んだことがきっかけとされています。

シングルがリリースされるとすぐに「…Baby One More Time」はチャート上位にランクインし、プラチナ・セールスを記録。ブリトニーは瞬く間に全米のティーンエイジャー憧れの的のポップ・スターへと成りあがっていったのでした。

Sabotage / Beastie Boys (1994年)

これまたスパイク・ジョーンズによる監督作品。ジョーンズは、ビースティ・ボーイズの「Sabotage」を、70年代の刑事ドラマのようなアクションシーンとビジュアルで表現。

ジョーンズのカメラアングル、カースタントの組み合わせは、この曲のダイナミズムの爆発力にぴったりでした。ビースティ・ボーイズのメンバーによるレトロな衣装、カツラ、口髭、そして刑事を熱演する姿は本気のおふざけといった感じでとても格好良かったですね

1994年のMTV Music Video Awardsでは、「Sabotage」のMVがノミネートされるも一つも賞を受賞できず、R.E.M.のマイケル・スタイプが受賞スピーチをしている時にメンバーのMCAが抗議をする一幕も。

Buddy Holly / Weezer (1994年)

またもやスパイク・ジョーンズが監督を務めたMVです。

ノスタルジックな雰囲気を醸し出すパワーポップバンド・Weezerの 「Buddy Holly 」は50年代の女優メアリー・タイラー・ムーアとバディ・ホリーの名前が何度も出てくるポップソング。

アメリカの人気ドラマ「ハッピー・デイズ」を意識したセットで、ドラマの映像とバンドの映像を上手く編集し、90年代の音楽、70年代のテレビ、50年代のファッションという3つの時代がシームレスに融合した作品を作り上げました

Vogue / Madonna (1990年)

アメリカポップス史上最高のアーティスト、マドンナによる1990年のシングル「Vogue」のMVはデヴィッド・フィンチャーが監督を務めました。

MVの中でマドンナが踊っている「ヴォーギング」は、当時はまだまだアンダーグラウンドなダンスであり、マドンナとフィンチャーがこのMVをきっかけにメインストリームへと持ち込みました

この曲はハウス・ミュージックをよりポピュラーなものにしたとされています。MVの中では写真家ホルスト・P・ホルストの30年代の写真が使われ、ハリウッド黄金時代の伝説にオマージュを捧げています。

ジャン・ポール・ゴルチエがデザインを手がけた円錐型のブラジャーも『Vogue』で初めて一般に公開されました。

まとめ

1980年代に生まれ、1990年代にはさらにユーザーを煽り感動を与えたMV。1本のMVがヒットしたことでトレンドが生まれ、アンダーグラウンドからメジャーな存在になることも珍しくありませんでした。

ショートムービーであったり、先鋭的なダンスを撮影したり、CGが使われるようになるなど多様性に富んでおり、1990年代のMVは音楽シーン同様に黄金時代でした。

1990年代の洋楽MVは、懐かしくもあり今見てもどこか新しさと刺激に満ち溢れている、そんな映像作品なのです。

まだまだ、90年代の名曲はたくさんありますので探してみるのもいいかもしれませんね。

最近ですと、「ジデン」という方が90年代テイストの音楽を制作しているので参考までに聴いてみるのもありかもしれません。

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