現在のアラフォーやアラフィフの人たちが子供の時だと地域に何軒かは駄菓子屋があったのではないでしょうか。
住居とお店が一体になっていて、店番はその家のおばさんやおばあちゃんがしていたタイプの。お店の奥を覗くとおじいさんとおばあさんがテレビ見ながらご飯食べていたりしていた記憶があります。
売っているものも10円~100円程度の駄菓子と袋に封入されていて中身が分からないアニメやアイドルのブロマイドや下敷き。何がでるか分からないドキドキ感があって子供ながらに射幸心を煽られましたよね。
他にも週刊少年ジャンプが発売日の前に買えたり、縦型のピンボールや小さなパチンコ台が置いてあったりと、昔の子供にとってお菓子=駄菓子屋でありアミューズメントスペースでもありました。
学校の遠足では、「お菓子は500円」まで持っていけるという謎のルールがあったので、遠足前にはみんなこぞって駄菓子屋に行って予算に収まるようにお菓子を選ぶ姿が、昔の小学生あるあるでした。
そんな懐かしい気持ちにさせてくれる80年代から90年代に流行っていたであろう子供向けのお菓子、みなさんはどれだけ知っていますか?
当時、定番だったけど、今では見なくなってしまった懐かしいお菓子たちをまとめてみました。
(出典:超!アニメディア)
懐かしのお菓子の筆頭といえば「ビックリマンチョコ」でしょう。
スーパーゼウス、スーパーデビル、ヘッドロココといったキャラクターのシールが封入され「悪魔vs天使」といった対立がストーリーとなっていました。
お菓子自体はウエハースにチョコレートとアーモンドクランチがサンドされていて、今思えば価格が30円とは思えないクオリティーでした。
元々は1977年に販売を開始、「悪魔vs天使」シリーズになったのが1985年。この神話系のストーリーと駄洒落を利かしたネーミングのキャラクターシールが大ヒットとなり、当時の子供たちはこぞってビックリマンシールを集めたものです。
ブームが過熱し過ぎてシールだけ取ったらお菓子は捨てる、なんて現象も起きてしまいました。
お菓子から人気に火がつき、その後は漫画化、アニメ化と続き、お菓子に留まらない展開を見せました。
当時は他のお菓子メーカーから「ビックリマンチョコ」に類似したお菓子(ラーメンバーなど)も出てたくらいなので、いかに人気だったのかが分かります。
90年に入ると販売価格は30円から50円に値上がりしたものの、それでも安くて美味しいのは変わらず。
ブームが収束したのは、レアシールと呼ばれる背景がプリズム加工されたシールの出現率が余りにも少なく子供の射幸心を煽りすぎたこと。
またそれが原因となって学校や社会問題化してしまったとされています。
85年のヒットから「ビックリマンチョコ」は継続して発売されていて、2020年には「悪魔vs天使」シリーズも35周年を迎えている長寿お菓子なんです。
どの世代の子供にも「ビックリマンチョコ」は知られているという事実に驚きを隠せませんね。
ちなみに、ピン芸人のバイク川崎バイク(BKB)さんは「ビックリマンチョコ」が好きで、レアグッズを収集していたり、自身のYouTube動画で「【チャレンジ】ヘッドロココ当たるまでチョコ食べる【水墨ビックリマン】」をアップしていたりと大のビックリマンフリークなんです。
興味がある方はこちらもチェックしてみて下さい。
(出典:エキサイト)
80年代後半から90年代にかけて、時代が昭和から平成に移る辺りにはドリフターズの中でも志村けんさんと加藤茶さんが子供たちに人気でした。
ドリフターズは勿論有名なお笑いグループでしたが、「8時だョ!全員集合」は85年で終了し、86年からは志村けんさんと加藤茶さんがメインの「加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ」がスタート。番組は92年まで続いていました。
ダウンタウンやウッチャンナンチャンが世に出てくるまでは90年代のお笑いはまだまだドリフや志村けんさんが絶大な人気だった気がします。
その人気を裏付けるような商品が、「ケンちゃんラーメン」です。テレビCMも常に流れていて「「ケンちゃんラーメン」新発売!」の連呼には、いつまで新発売何だろう?と子供心ながらにツッコんだものです。
「ケンちゃんラーメン」の販売期間は、1988年から1996年まで。実に8年に渡って新発売!と言い続けてきたのですから立派なものです。
「ケンちゃんラーメン」は蓋の裏にスピードくじがあって、当たりが出るとオリジナルグッズがもらえるのも子供から人気があった理由でしょう。
昔のお菓子は子供の射幸心を煽ることに躍起になっていた気がします。
学校でオリジナルグッズを持ってきて自慢する同級生がどの学校にもいたんじゃないでしょうか。自慢される側としては素直に羨ましかったので、自分もグッズ目当てに買ってしまうんですよね。
現在のお菓子メーカー、食品メーカーが景品として抽選で当たるオリジナルグッズを作ったりするのも当たり前になりましたが、「「ケンちゃんラーメン」」などが起源だったりするのではないでしょうか。
(出典:昔のお菓子.com)
こちらも80年代から90年代初頭まで販売されていた「ハンコください!!」
「ハンコください!!」は、そのネーミング通りハンコ型のチョコレートスナック菓子。
ハンコの頭の部分がチョコレート、持ち手はビスケットで「きのこの山」と同じ様なスナック菓子でした。
チョコレートの部分には「鈴木」とか「中山」とか人の名前がデザインされており、しっかりとハンコを再現しているのが特徴でした。
令和の現在だとハンコ自体が過去の遺物のように扱われ、脱ハンコがスタンダードになってきていますが、当時はハンコや捺印には凄い大人なイメージがありました。
さらに自分と同じ苗字の「ハンコ下さい!!」があるとちょっと嬉しい!といった気分も味わえたものです。
現在、アラフォー、アラフィフを迎えられている方々はハンコは散々押してきた世代でしょう。「ハンコください!!」が今もあったらノスタルジックな気持ちで買ってみたくなりますね。
(出典:昔のお菓子.com)
いわゆるポテトチップスなんですが、当時は何故「5/8チップ」なのかを知る由もなく、ただただ美味しく食べていました。
調べてみたところ5/8とは、一般のポテトチップスと比較しての大きさの比率で、一口で食べられるためにこのサイズにされていたようです。
余談ですが、こうやって「5/8チップ」と書くと、知らない人は「ゴガツヨウカチップ」?と思ったりしないか不安です。「ハチブンノゴチップ」と読みます。
発売しているのはカレー粉でおなじみのS&Bエスビー食品株式会社で、 欧風カレー味、カレー味、しお味、しそ味、新バーベキュー味、かにマヨネーズ味などフレーバーの種類も豊富でした。
カレー味と欧風カレー味って、味の違いがそんなになさそうな気もしますが。
いつの間にかお店で見かけなくなったものの、2003年までは販売されていた意外なロングセラー商品でした。
(出典:昔のお菓子.com)
1980年代後半くらいから子供向けのお菓子も種類がどんどん増え、クオリティーも上がっていった印象があります。
チョコレート菓子も板チョコだけではなく、ウエハースやチョコクランチなど細分化しています。
1988年に発売された「ぬーぼー」も、その緩いネーミングとは裏腹にエアインチョコを日本の子供たちに教えてくれた革新性の高いお菓子です。
エアインチョコの作り方は、チョコレートに重曹を混ぜて過熱します。重曹が入ることで過熱時にチョコの中に二酸化炭素を発生し、その時に気泡が出来て独特のフワッとした食感になるのです。
当時の子供たちからすれば初めて味わうエアインチョコの食感は衝撃的でした。サクッとした最中に挟まれているフワッとした軽い食感のエアインチョコ。
食感の重要性を教えてくれたのが「ぬーぼー」といっても過言ではありません。
当時、テレビCMも頻繁に目にしていたので、食べたことはなくてもCMや黄色のゆるいキャラクターがプリントされたパッケージを覚えている方も多いのではないでしょうか。
CMに起用されていたイメージキャラクターも、当時バラエティーで人気絶頂だった田代まさしさんだったというのも時代を感じさせますね。
人気はありましたが、1996年に商標が他社に移動したことで販売終了となってしまいました。
(出典:ORICON NEWS)
カネボウ(現クラシエフーズ)から発売されていた「ねるねるねるね」は、「自分で作る」ことができるお菓子でした。
パッケージに入っている袋を器に開けて分量通りの水を入れて混ぜるとお菓子が出来上がる、そんな実験的な要素をお菓子に持ち込んだことで人気商品となりました。
食べたことがなくとも、魔法使いのおばあさんが「ねるねるねるね」をかき混ぜてるテレビCMはインパクトがあったので覚えている方も多いのではないでしょうか。
お菓子を作っていく過程で粘度が出てくる、色が変わる、更に砕いたキャンディーやチョコレートを付けて装飾する、といった流れは知育にも良さそうです。
当時のお菓子としては斬新で発想もずば抜けていましたが、味自体は美味しかった記憶は思い出せません。しかし、「ねるねるねるね」は現在もマイナーチェンジを繰り返しながら販売中です。
子供の好奇心をおおいに刺激してくれた「ねるねるねるね」、今も買えるのであれば童心に戻って作りたくなりますね。
(出典:amanoya.org)
発売は1979年からと意外と古い「ジュエルリング」
「ジュエルリング」は指輪型のキャンディーで、実際に指に嵌めておしゃぶりのように舐めることができます。
名前の様に宝石を模してあるキャンディーはカラフルで見た目にもゴージャスな気分になりますね。当時は女の子向けに販売されていて、テレビCMでも御姫様のコスプレをした女の子が舐めていました。
当時は男子が買うのが気恥ずかしいお菓子でもあった記憶があります。男兄弟の家庭だとお母さんが買ってきてくれるお菓子には選ばれず、お姉ちゃんか妹がいる家庭だと食べることができたとか。
どちらかといえば90年代よりも80年代の印象が強いお菓子かもしれません。
90年代に関する記事について
(出典:昔のお菓子.com)
発売開始は1970年代後半から。その名の通り口に入れるとパチパチ弾けた食感のキャンディ。元々は海外で販売されていたキャンディを日本に輸入して販売、物珍しさもあって子供にはウケていました。
しかし、発売当初は弾け具合が強く喉や鼻が痛くなるなど事故も多かったので一度販売中止に追いやられています。その後改良を加えて販売を再開。色んなテイストの「ドンパッチ」が売られていました。
実際に口の中に入れるとパチパチ音が聞こえるレベル。パチパチは、キャンディを作る時に中に二酸化炭素を入れると気泡ができ、舐めていると飴が溶けて気泡が弾ける仕組みだとか。
当時のお菓子は目新しさや面白さが味よりも優先されていた気がします。「ドンパッチ」も子供の心を掴む要素が満載でしたね。
すでに販売は終了していますが、口の中で弾けるキャンディやガムなど類似した商品はコンビニやスーパーにも沢山ありますので、食べたことがない人は試してはいかがでしょうか。
(出典:森永製菓)
ポップコーンよりも食べ応えがあり、ポテトチップスよりも食べやすいと言われた、スナック菓子第一世代の「スピン」を覚えていますか?
タイヤのホイールのような形をして、トウモロコシを原料としたサクサクとしたスナック菓子でした。
「スピン」は1969年から販売を開始、当時はお菓子=甘いという認識が一般的でしたが「スピン」はピザ味に始まり、カレー・バター・チーズといった甘くないフレーバーで人気を博しました。
甘くないお菓子を日本に定着させるのに一役買っていたのが「スピン」なのです。
販売は1998年まで続きましたが生産終了、その後2005年に復活してスーパーやコンビニで再販売。更に販売が縮小し、現在はローソンセレクトとして販売しています。
子供の時は考えたこともありませんでしたが、大人になってから「スピン」を食べてみると塩気の効いた味わいはお酒のお供にピッタリですね。
実は子供から大人まで楽しめた「スピン」、現在も入手できるので気になった方は買って味わってみて下さい。
(出典:amanoya.org)
ここからは90年代でも購入できた駄菓子も紹介したいと思います。主に駄菓子屋さんで売られていた「チョコフォーカステラ」をご存知ですか?
少し硬めでパサついたカステラ生地をチョコレートでコーティングしたお菓子です。
今だと有楽製菓のチョコケーキにも似たお菓子です。外側にかかっているチョコレートがいわゆる準チョコレートで、このチープな感じが独特な美味しさと懐かしさを味あわせてくれるんです。
ちなみに菓子の成分表示にかかれている「チョコレート」はカカオ分が35%以上、「準チョコレート」はカカオ分が15%以上といった基準によって分けられています。
他にもチョコレートと準チョコレートを区分する基準はありますが、ざっくりいうと使用されているカカオ分の比率によって分けられます。
駄菓子としての美しさに溢れている「チョコフォーカステラ」は、そのまま食べても美味しいのですが、冷蔵庫で冷やして外側のチョコレートをパリパリと音を立てて食べるのもオススメです。
ホイップクリームなどを付けてゴージャスに仕立てて食べたりとアレンジがしやすいのも特徴です。
コーティングチョコレートとパサついてるカステラ生地の組み合わせは、食べる前に想像している味とだいたい同じ。特別美味って訳じゃないから、いつ食べてもそこそこ美味しく感じるんですよね。
(出典:みんなのお菓子市場)
「どらチョコ」も「チョコフォーカステラ」と同じような駄菓子です。
販売元はうまい棒で知られるやおきん社で、和菓子屋さんに委託して作らせていた商品ですが、味は駄菓子を超えたクオリティなんです。
名は体を表すといった通りにどら焼きの生地でチョコレートを挟んだもので、どら焼きのミニチュアみたいな外見をしています。
食感はあんこに近いけど味はチョコレートなので、コーヒーやお茶とも相性が良い甘さです。
2個入りで30円という価格が子供でも買いやすくて助かりましたね。
(出典:あおい玩具)
「チョコバット」は販売開始が1960年代なので60年以上前に作られたお菓子なんですが、現在も「チョコバット」、「チョコバット」エースなど4シリーズで展開。
当時は駄菓子屋の定番で、現在はスーパーやコンビニで子供たちに手っ取り早く糖分を供給してくれています。
パン生地にチョコレートがかかったシンプルなお菓子ながら、そのシンプルさ故に飽きが来ないのも流石ですね。
学生時代に食べていた少年少女が社会人となりオフィスでのおやつにデスクの引き出しに常備しているとかいないとか。
一口食べれば放課後を思い出させてくれる「チョコバット」は正しく駄菓子界のホームランバッターでしょう。
(出典:ダイヤモンド・オンライン)
こちらも駄菓子屋さんでよく見かけました。
モロッコ・ヨーグルは、ヨーグルトのような酸味のあるペースト状のお菓子。プラスチックの容器に象のイラストが描かれたパッケージが懐かしい。
ペリッと蓋をめくって木のスプーンで食べたものです。味の種類も複数ありましたが、どれも美味しいというよりかは駄菓子を食べている感じが強かった気がします。
チョコレートやスナック菓子が主流になりつつある中で変化球のような楽しさを感じさせてくれたお菓子ですね。
(出典:日経クロストレンド)
今やどこに行っても禁煙で、まともにタバコが吸える場所もなくなりつつある日本。
そんな禁煙政策の中で乗り換えるなら「ココアシガレット」がオススメ。
チョコレート味のシュガースティックをタバコ風にしたお菓子です。パッケージもレトロなタバコの箱をイメージしており、遠目にお年寄りが好きそうなタバコに見えます。
終了販売していたかと思いきや意外と色んなお店で売っています。
90年代のお菓子を振り返ってみると、スタンダードなお菓子だけではなくエンターテイメント性の感じられるお菓子が多いことに気付かされます。
パッケージやお菓子のおまけにストーリー性を持たせていたり、タレントやキャラクターを全面に出していたりと子供の好奇心をビシビシ刺激してくるような面白さが当時のお菓子には感じられます。
また90年代は街の駄菓子屋さんも顕在ではあったので、新しいお菓子と古き良き駄菓子の両方が楽しめた、一挙両得な時代でした。
90年代に限らずお菓子はすでに日本人のカルチャーであることも再確認させてくれます。童心に戻ってあの時のお菓子を食べてみれば、友達の笑顔と懐かしさがこみ上げてきますね。