1990年代といえばJPOPの黄金期であり、ミリオンヒットが沢山記録された時代です。
テレビが今よりも元気だったのでドラマやバラエティ番組も今以上に人気がありました。
ドラマと同じ、もしかしたらそれ以上に歴史的な作品が生まれたのが1990年代のアニメ作品。
今回はそんなアニメを彩ったオープニングテーマやエンディングテーマを、女性ヴォーカルしばりで振り返ってみましょう!
いとしさとせつなさと心強さと/篠原涼子:ストリートファイターII MOVIE
1990年代の音楽シーンで大人気だったのがTKこと小室哲哉さん。
小室さんのプロデュースするアーティストや楽曲はミリオンヒットを記録することが珍しくなく、1990年代に最も活躍した人の1人かもしれません。
同じくゲームのストリートファイターⅡも1991年のアーケード版が大ヒット、翌1992年にスーパーファミコンに移植されたことで更に大ヒット、と1990年代を代表するゲームになりました。
ストⅡが社会現象化したこともあり、1994年にはアニメ映画化され、その時の挿入歌が「いとしさとせつなさと心強さと」なのです。
小室さんが、「東京パフォーマンスドール」に所属していた篠原涼子さんをプロデュースしてリリースされた「いとしさとせつなさと心強さと」は、ストⅡや映画の人気もあって徐々にランキングを昇り、最終的に200万枚を超える売上を記録しました。女性歌手では篠原さんが初めてダブルミリオンを達成した記念すべきシングルです。
1990年代のアニメソングで最大のヒットとなった曲であり、今でもゲームファン、アニメファンからも人気の高い一曲です。
残酷な天使のテーゼ / 高橋洋子:新世紀エヴァンゲリオン
1990年代を代表するアニメといえば「新世紀エヴァンゲリオン」を挙げる人も多いことでしょう。
アニメシーンだけではなく、アニメに興味がない人にまで衝撃を与え社会現象化したアニメも「新世紀エヴァンゲリオン」が筆頭ではないでしょうか。
哲学的で難解なストーリーはテレビシリーズのみでは納得のいく結末を得られなかったので、劇場版が公開されることに。
その後も続編を劇場版で公開していくスタイルに移行し、2021年3月に公開された「シン・エヴァンゲリオン劇場版」をもって約25年続いたエヴァンゲリオンシリーズも完結を迎えることになりました。
高橋洋子さんが歌うオープニングテーマ「残酷な天使のテーゼ」は壮大なストーリーを示唆する内容、フラッシュカットを多用し視聴者に斬新なイメージを与えてくれました。
更に有名作詞家・及川眠子さんによる作詞では、エヴァンゲリオンといった単語が一切でてこないことも当時のアニメ作品としては珍しかったですね。
ゆずれない願い / 田村直美:魔法騎士レイアース
1994年から1995年にかけて日本テレビ系列で放映されていた「魔法騎士レイアース」は、ロールプレイングの様なファンタジー世界を舞台にしたアニメで当時の女の子たちを魅了しました。
剣と魔法の世界と現代日本を舞台にし、ストーリーは平坦でなく深みがあり見た目とのギャップもある作品でした。
最初の主題歌でもある田村直美さんの「ゆずれない願い」は伸びやかな歌声が特徴的な一曲で、サビも気持ちが盛り上がります。
累計売上109.2万枚を超えるミリオンヒットとなり、1995年の紅白歌合戦にもこの曲で出場した田村さんを代表する楽曲です。
微笑みの爆弾 / 馬渡松子:幽☆遊☆白書
「幽☆遊☆白書」は黄金時代の少年ジャンプでもトップクラスの人気を誇り、1992年から1995年までフジテレビ系列でアニメ化されました。
土曜日の18時台後半でも平均視聴率が17.6%、最高視聴率24.7%というところに人気の高さと、当時のテレビのメディアとしての強さを感じます。
当初は霊界探偵編でしたが、魔界統一トーナメント戦で蔵馬、飛影といった人気キャラクターが登場してからさらに人気が上がりましたね。
「微笑みの爆弾」はアニメ版「幽☆遊☆白書」のオープニングテーマで最終回まで変更されることなく起用されていたので(OP映像は途中で変更あり)「幽☆遊☆白書」といえばこの曲!となっている人も多いことでしょう。
馬渡さんは「ホームワークが終わらない」、「さよならbyebye」、「デイドリームジェネレーション」といったエンディングテーマも歌っており、アニメ版「幽☆遊☆白書」の世界観構築にも大きく貢献しています。
ムーンライト伝説 / DALI:美少女戦士セーラームーン
武内直子先生原作で、1992年にアニメ化された「美少女戦士セーラームーン」は女児だけでなく大人も巻き込む人気を見せ社会現象化。
作品の人気は日本だけにとどまらず、世界中で愛される作品となり世界40か国で放映、日本のポップカルチャーを代表するコンテンツになりました。
テレビアニメシリーズの最高視聴率は16.3%で、バンダイによるおもちゃやキャラクタービジネスでも成功を収めました。
そんな「美少女戦士セーラームーン」の主題歌といえば「ムーンライト伝説」一択な人も多いでしょう。
小田佳奈子さん作詞、川島だりあ(小諸鉄矢名義)さん作曲の抒情的な楽曲で、歌いだしの「ゴメンね素直じゃなくて」のフレーズにときめいた回数は数知れず。
1990年代のアニソン特集では必ずピックアップされ、数多くのアーティストに今でもカバーされ続けている名曲中の名曲です。
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そばかす / JUDY AND MARY:るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-
1990年代のJPOPシーンではドラマやCMとのタイアップがCDの売上を大きく伸ばすことに成功しました。
その成功体験はアニメにもフィードバックされ、声優やアニソン専門の歌手以外のアーティストによる楽曲がアニメのオープニングやエンディングに使用されるケースも増えていきました。
週刊少年ジャンプの看板作品でもあった「るろうに剣心」も1996年にアニメ化、幕末を舞台にした時代劇アニメ「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-」として人気を博しました。
そんな「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-」主題歌を担当したのは、バンドのJUDY AND MARY。当時はすでに大人気で人気作品の主題歌起用で「そばかす 」は累計販売枚数120万枚を超えるミリオンヒットを記録。
ボーカルのYUKIさんの魅力を引き出したキュートな一曲です。
曲名の「そばかす」はメンバーが「キャンディキャンディ」しかアニメ知識がなく、また曲を作るにあたって作品の内容を全く知らずに作ったためであったと後に語られています。
曲が生まれた経緯を知ってしまうと少し残念な気にもなりますが、だからこその名曲なのかもしれませんね。
YOU GET TO BURNING/松澤由美:機動戦艦ナデシコ
1996年から1997年にかけて放送されていたテレビ東京系アニメ「機動戦艦ナデシコ」は、そのネーミングから分かる通り「宇宙戦艦ヤマト」と「機動戦士ガンダム」を連想させるSFロボットアニメ。
宇宙戦艦の中での出来事がメインでしたが、ロボットやストーリーには重厚さがしっかりと存在していました。
ラブコメの要素も多くベタな内容ながら細部へのこだわりが強いマニアックさが魅力でした。
主題歌の「YOU GET TO BURNING」は松澤由美さんによるアッパーチューンでノリの良さが魅力です。
プラチナ / 坂本 真綾:カードキャプターさくら
「なかよし」で連載されていた「カードキャプターさくら」が1998年にテレビアニメ化。最初はNHKのBS2で放送を開始、1999年からはNHK教育テレビでも放送されました。
気弱な主人公が強敵に立ち向かう姿は、当時の女の子たちに夢や希望を与えてくれました。
「プラチナ」は坂本真綾さんが歌う、「カードキャプターさくら」の三代目主題歌で「さくらカード編」最終回のエンディングとしても使用されています。
作詞家・岩里祐穂さん、作曲家・菅野よう子さんのプロデュースを受け、子役から活動していた坂本さんの歌声が楽曲に確かな命を吹き込んだ一曲です。
JUST COMMUNICATION / TWO-MIX
1990年代のロボットアニメといえば一般的に「新世紀エヴァンゲリオン」が有名ですが、アニメファンとしては「新機動戦記ガンダムW」も外せません。
従来のガンダムシリーズよりもさらに深く心理描写を描いたことで人気も高かった作品です。
「JUST COMMUNICATION」は、声優の高山みなみさんと作詞家の永野椎菜さんによるユニット「TWO-MIX」の楽曲であり「新機動戦記ガンダムW」のオープニングテーマ。
今でもこの曲を聴くと「新機動戦記ガンダムW」を思い出す人も多いのではないでしょうか。
まとめ
1990年代のアニメには名作が沢山生まれました。そして名作アニメには、最高のオープニングテーマとエンディングテーマが付き物。
オープニングテーマに心をときめかせ、エンディングテーマでストーリーの余韻に浸る、アニソンはそんな名作アニメを彩る最高のスパイスですね。
ぜひ名場面を思い出しながら聴いてみてください。
最近ですと「ジデン」という方が90年代テイストの楽曲を制作していますので、参考までに聴いてみるのもいいかもしれませんね。