安室奈美恵さんといえば90年代に大活躍した女性アーティストというだけでなく、90年代に「アムラー」と呼ばれるフォロワーをたくさん生み出し、また渋谷という場所を代表するようなポップアイコンでした。
惜しくも2018年9月16日をもって芸能活動を引退してしまいましたが、現在でも安室さんが歌った曲の数々は世代を超えて多くの音楽ファンに愛されています。
今回は、そんな安室奈美恵さんの人気曲をランキング形式で紹介したいと思います。
1.FIGHT TOGETHER
「Fight Together」は、2011年にリリースされたシングルで、テレビアニメ「ONE PIECE」のオープニングテーマにも起用された楽曲です。
安室さん自身もファンだと公言している「ONE PIECE」の第493話から第516話までのオープニングを飾りました。
テレビアニメの主題歌に起用されるのは実に8年ぶりで、作品の内容に沿ってかストレートで前向きなメッセージソングです。
2.CAN YOU CELEBRATE?
今やウェディングソングとして定番になった「CAN YOU CELEBRATE?」は、1997年にリリースされた甘くてポップなバラードです。
安室奈美恵史上一番売れたシングルで、累計で229.6万枚を売上げダブルミリオンを記録し、1997年の年間シングルチャートで1位を獲得しました。
ドラマ「バージンロード」の主題歌に起用されたこと、同年の10月に安室さんの結婚が発表されたことによりウェディングの印象がより強まりました。
実際の「CELEBRATE」には「どんちゃん騒ぎをする」という意味もあって、「祝福してくれますか?」というニュアンスとは遠い意味のタイトルですが、今となっては誰も気にせずに結婚式で使ってしまうほど感動的で人の心に染み入るナンバーです。
3.Love Story
2012年リリースの「Love Story」は、安室さんの楽曲の中で最も広く評価された曲の一つではないでしょうか。
この曲が収録されていたアルバム「Uncontrolled」では、当時の日本のソロアーティストによる発売初週の最多売上記録を更新して話題を呼びました。ドラマ「私が恋愛できない理由」の主題歌としても起用された心に響くピアノバラードです。
美しいアレンジと女性の心情をストレートに綴った歌詞で、安室さんの特徴であったダンスがなくても成立することがアーティスト安室奈美恵の成長を物語っています。
4 Hope
「Hope」は2017年にリリースされた安室さんのベストアルバム「Finally」収録の新曲で、こちらもテレビアニメ「ONE PIECE」の20番目のオープニングテーマとして起用されました。
しっかりとしたボーカルと高揚感のある曲調が印象的なナンバーで、制作チームの要請により書き下ろされました。楽曲の完成までに 6 か月を要しており、安室さんのワンピースにかける想いが伝わってきます。
スピーディーでエネルギッシュな曲調は、海でのエキサイティングな冒険を繰り広げる麦藁の一味と相性抜群。
5 Hero
2016年リリースのシングル「Hero」は、NHKのリオデジャネイロオリンピック・パラリンピック取材のテーマソングとして起用されたので耳にした人も多いはず。
「Hero」というタイトルにふさわしく、この曲は誰もが興奮して立ち上がるようなドライブ感のある楽曲で、MVを含むすべてが運動とオリンピックに関連しています。
翌年2017年の紅白歌合戦では、特別枠として「Hero」を披露。この年の紅白は驚異の視聴率48.4%を記録しました。
記憶に残るだけでなく、ダウンロード数やストリーミング数でチャートの1 位を獲得したほか、ラジオでのオンエア (7 位) や Twitter での言及数 (16 位) などの指標でも強さを発揮した一曲です。
6 Baby Don’t Cry
デビュー当初はユーロビートやハウスミュージックなどダンサンブルな音楽と、洗練されたダンスの動きで知られた安室奈美恵さんですが、キャリアを重ねていく中でR&B的なアプローチが顕著となっていきます。
安室さんはダウンテンポの楽曲でも大きな成功を収めてきたのも特徴の一つであり強みではないでしょうか。
2007年のテレビドラマ「ヒミツの花園」の主題歌に起用された「Baby Don’t Cry」は、安室さんにとってのトップセールスシングルでもあり、中期から後期にかけてのR&Bサウンドを代表するミドルテンポのバラードです。
7.SWEET 19 BLUES
間違いなく安室さんにとっての代表的なシングルの1つである「SWEET 19 BLUES」は、1996年8月にリリースされた自伝的なバラードです。弾けるようなリズムとしっかりとしたボーカルが特徴の、心に訴えるかのようなダウンテンポの楽曲。
当時の安室さんはすでに「アムラー」と呼ばれるフォロワーを生み出すほど人気の高かったアーティスト。ミュージシャンという枠組みを飛び越え時代を象徴するようなアイコンでもありました。
自身が出演した映画「That’s カンニング! 史上最大の作戦?」のエンディングテーマにも起用されました。
8 Just You and I
テレビドラマ「母になる」の主題歌として起用された。華やかなストリングスがピアノに溶け込むような曲調と優しくエモーショナルなヴォーカルが特徴な「Just You and I」は、安室さんにとって最後のシングルとなった楽曲です。
やや速いテンポが相まって優しくも心温まる仕上がりとなっている曲調は、ドラマのストーリーと密接にリンクしている歌詞と相まって感動的です!
MVは「光」をテーマに制作され「何物にも代えがたい存在」をメインコンセプトに、幻想的な雰囲気を醸し出しており、歌詞に注がれた深くて感動的な愛を映像で表現しています。
9 Don’t wanna cry
デビュー以降はリズムの激しいアップテンポな曲を歌ってきた安室さんが、
「今までリズムの激しい曲が多かったから、次はバラードまでとは行かずとも、ミディアムテンポでブラックミュージックを歌ってみたい」
とプロデューサーである小室哲哉さんにリクエストしてできあがったのが「Don’t wanna cry」です。
初期の人気曲であり、それ以降のブラックミュージックに傾倒していく兆しを感じさせる楽曲です。
2枚目のアルバム「SWEET 19 BLUES」とベストアルバムにも収録されていますが、どれもアレンジが異なるバージョンが収録されています。
10 NEVER END
安室さんの出身地である沖縄、その沖縄で開催された「第26回主要国首脳会議」(九州・沖縄サミット)のイメージソングとして作られたのが「NEVER END」です。
沖縄出身のアーティストとして、島に住む人々の代表として、格別の思いが込められた渾身のミディアムチューン。
じっくりと情感が伝わってくるかのようなヴォーカルに思わず感動してしまう壮大な1曲です。
第26回主要国首脳会議の歓迎パーティーにおいて、安室さんは、地元の少年少女合唱団らとこの曲を披露しています。
まとめ
デビュー当初はユーロビート調の楽曲がメインだった安室さんは、1995年の「Body Feels EXIT」のようにダンサンブルでリズムの激しい曲が主流でしたが、「Don’t wanna cry」や「SWEET 19 BLUES」のようなブラックミュージック色の強い曲が徐々に増えていきました。
転機は1999年の安室さんが産休から復帰した時期で、復帰策である「SOMETHING ‘BOUT THE KISS」は小室さんと、TLCやMonicaの作品でも知られる名プロデューサーのダラス・オースティンによる共同プロデュースでした。
時代的にもJ-POPにR&Bのテイストが注入され、音楽的に円熟味が増していった頃です。
元々安室さんが持っていたブラックミュージック嗜好と、時代の流れが上手く合致してよりR&B的なアプローチを取るようになっていったのでした。