音楽が大好きで、音楽に携わることを夢見ている人であれば音楽業界で働きたいと願うもの。
音楽業界と聞くとあなたはどんな仕事を思いつきますか?
ミュージシャン
レコード会社での勤務
ライブハウス経営
などがパッと思いつくのではないでしょうか。
音楽業界と一言でいっても、その働き方や職種は千差万別です。
この記事では、音楽業界における重要なポジションであるエンジニアにフォーカスして紹介します。
目次
音楽業界のエンジニア職
エンジニアと一口にいっても、実は音楽業界には、さまざまなエンジニア職が存在します。
それらは、レコード会社や制作会社、ライブハウス、舞台、スタジオ、商業施設など、様々なシーンや業界で活躍しており、アーティストやバンドが活動する上で、エンジニアが欠かせないことは言うまでもありません。
それでは、どのようなエンジニア職があるのか、またどうすればその職種に就けるのかを見ていきましょう。
1.サウンドエンジニア
サウンドエンジニアとは、音響に関する技術を持ったプロフェッショナルのことを指します。
サウンドエンジニアは、音声や音楽をレコーディング、編集、ミックス、マスタリングなどをおこないます。
また、ライブやコンサートでは、サウンドエンジニアは、ステージ上で演奏される音を管理し、会場全体に均一な音を作り出すために、スピーカーやマイク、その他の音響機材をセットアップしたり、調整したりすることもあります。
さらに、映画やテレビ番組、ゲーム、広告、イベントなどでは、サウンドエンジニアは、効果音や吹き替えを制作することもあります。
また、サウンドエンジニアは、音響機材やデジタルオーディオワークステーション (DAW) を使い、音を創造したり、加工したりするなどその業務内容は多岐に渡ります。そのため音響に関する理論や技術においても専門知識を有している必要があります。
主な職務内容:
- オーディオトラックの録音、編集、ミキシング
- 音質のテストと改善
- 録音に効果音を追加する
- サウンド ライブラリの作成と更新
- 技術的な問題が発生したときの対処
- 最新のトレンドとベストプラクティスの把握する
- 音響設備のセットアップ、メンテナンス、定期的な検査
- ビデオ編集者、照明、カメラマンなどとの連携
- ビデオとオーディオトラックの同期 など
2.ビデオエンジニア(映像エンジニア)
一般のビデオエンジニアの職務は、ロケーション内のスイッチャー、テープ マシン、モニター、ジェネレーターなどのすべての映像機器の設置と保守を担当します。
音楽業界でのビデオエンジニアは、ライブやコンサートの録画・録音を担当し、MV(PV)の撮影や編集などもおこないます。
近年ではWebCMを起用する企業の増加に伴い、WebCMやWebムービーの需要が高まっています。過去には制作会社に勤務してテレビCMやテレビ番組の編集がメインでしたが、Webでの動画需要の高まりとともに活躍の場が広がっています。
一部のビデオエンジニアの現場においては肉体労働を伴う場合があるため、現場で作業するビデオ エンジニアは体調が良好で、機器やケーブルを持ち上げることができる必要があります。
主な職務内容:
- コンサートや演劇などのライブパフォーマンスの撮影や映像を用いる業務全般
- MVの撮影、編集など
- 映像編集
- 配信業務 など
3.メンテナンス
メンテナンスの仕事は、メンテナンス、修理、設置の 3 つがメインで、当然のことながらメンテナンスが一番主要な業務です。
レコーディングに関する機器が長期にわたってその機能を維持し、いつでもレコーディングができるように調整をします。
メンテナンスはすべての機器の定期的な調整、キャリブレーション、およびテストを実行し、その作業をログに記録します。
また、スタジオのすべてのケーブルとラインを整理してのテストや、他のエンジニアとの連携、マニュアルを作成もします。
主な職務内容:
- スタジオ、コンサート会場でのオーディオ機器の設置とメンテナンス
- 在庫確認
- 修理のスケジュール調整
- マニュアルの作成
- 交換の記録 など
4. AVエンジニア
一般の企業でもZOOMなどのツールを利用しての配信やアーカイブ放送ができるようになった昨今、放送、ストリーミング、通信、およびレコーディングに関する技術やエンジニアの需要が高まっています。
その需要を満たす存在がAVエンジニアで、これからのキャリアが期待されている職業です。
AVエンジニアは、放送や通信のカメラ、照明、マイク、制御システムなどのシステムのセットアップ、構成、および保守において中心的な役割を果たす存在です。
彼らが通常使用する機器の種類には、カメラ、マイク、スピーカー、プロジェクター、ビデオ スクリーン、照明があります。
AVエンジニアは、機器のセットアップ、操作、および修理が主な業務領域であり、コンサートやライブ以外にも、スポーツ イベント、テレビ会議、ライブイベントには必要不可欠な存在となっています。
主な職務内容:
- コンサートなどのライブイベントの音響および映像機器の設置、及び保守
- ビデオとオーディオの品質管理
- 記録されたメディアの編集
- 技術サポート
- イベント中の AVシステムのマスターコントロール操作
- AV機器の保管、運搬、組立、分解
- ユーザー ガイドなどのドキュメント作成 など
5.アシスタントエンジニア
アシスタントエンジニアとは、レコーディングエンジニアやサウンドエンジニアのアシスタントを指します。
通常はレコーディングエンジニアのサポートが業務内容で、サウンドの録音、編集、ミキシング、およびマスタリングのアシスタントをします。
アシスタントエンジニアは、ビデオや映画、ライブイベント、広告、マルチメディア、放送に関するプロダクションで働くこともあります。
彼らは、レコーディング機材のセットアップ、トラックの録音、およびミキシングなども担当します。
特に大規模なコンサートやフェスティバルの公演中はPAの操作を手伝うほか、ライブ前のサウンドチェックや機材のセッティングなどもおこないます。
主な職務内容:
- 管理業務
- レコーディング業務
- スタジオでのレコーディング エンジニアのサポート
上記以外にも、電話への応答、スタジオ機器のセットアップ、音楽ファイルの整理、レコーディング セッション中の機器の操作などを含みます。
6.照明エンジニア(照明技師)
照明エンジニアは、音楽業界だけではなく、エンターテインメント全般の業界で劇場、テレビ、映画などにおいて照明を担当するポジションです。
また、ライブイベント、フェスティバル、ダンスリサイタル、結婚式などのイベントに照明効果を提供することもあります。
彼らは、照明用のコントロールパネルを介して劇中のシーンに合った照明効果を演出します。
多くの場合、ディレクター、プロデューサー、照明クルーの他のメンバーと協力して、パフォーマンス全体の照明要素を計画し、実行するのが仕事です。
照明の設置と制御とは別に、照明エンジニアは、機器の保守と、すべての照明器具の安全で適切な取り扱いを保証する責任もあります。
主な職務内容:
- 照明ボードの操作・制御
- 照明ディスプレイの設置
- 装置や制御盤の組み立て
- 機器の修理 など
7.システムエンジニア
ライブやコンサートにおけるシステム エンジニアは、全体の音響制作におけるリーダーであり責任者です。
音響機器の設置、構成の設計、セットアップの安全性と効率の最適化、音響問題におけるクリエイティブな部分を担当しています。
システムエンジニアはさまざまな個別の責任を負っていますが、より効果的で、安全で、バランスに優れたサウンド システムを作成することこそが本来の業務です。
コンサート会場での機材搬入が始まると、システム エンジニアは、スペースの要求と希望する音響範囲に基づいた設計を実施して、チームを監督して空間内の音響を設定します。
主な職務内容:
- サウンド システムの設置、監視、修理、分解
- 制作チームのメンバーとの連携
- オーディオシステムが適切に機能するためのテスト
- トラブルシューティング
- 機材修理や機材の要件定義 など
まとめ
音楽業界で、エンジニアを志すことで得られることもあります。
ミュージシャンやディレクターといったクリエイティブな人々との出会いやコラボレーションは、音楽が好きな人だからこそ味わえるメリットではないでしょうか。
自分一人だけで完結するのではなく、音楽に関わっている人たちと同じ目的に向かって何かを成し遂げた時の達成感は何物にも代えられません。それは今までバンドや音楽を創ったり演奏してた人ならより理解できるはずです。
また、新しい技術や常にアップデートしていく録音や音響の技術を学んでいくことで自分自身も常にアップデートされていきます。
もし音楽業界で働いてみたいと漠然と考えている人がいるようでしたら、エンジニアとして関わっていくのも面白いかもしれませんよ。