1990年代は、邦楽ロックだけじゃなく海外のロックも黄金時代でした。
1980年代に流行していたハードロックやポップスに変わりオルタナティブロックやグランジといった新しいムーブメントがインディーズシーンから登場。今でも活躍するグループやアーティストが数多く生まれた年代です。
今回は1990年代を代表するロックバンドの名曲を紹介します。
目次
- Califonication/Red Hot Chili Peppers(1999年)
- Don’t Look Back In Anger/Oasis(1996年)
- Know Your Enemy / Rage Against The Machine(1992年)
- Everlong / Foo Fighters(1997年)
- Enter Sandman / Metallica(1991年)
- Smells Like Teens Sprit / Nirvana(1991年)
- Sabotage / Beastie Boys(1994年)
- Vertual Insanity/Jamiroquai(1996年)
- Buddy Holly / Weezer
- まとめ
Califonication/Red Hot Chili Peppers(1999年)
今やモンスター級のロックバンドにまでなったレッチリことRed Hot Chili Peppersが1999年に発表したアルバム「Califonication」の同名曲。
タイトルの「Califonicatio(カリフォルニケイション)」は、カリフォルニアとフォーニケーション(fonication=性に関する不道徳) を組み合わせた造語です。
ショービジネスの裏にある悲哀を表現した曲であり、歌詞には同じく1990年代を代表したミュージシャン・ニルヴァーナのカート・コバーンの名も。
オルタナティブロックの終焉についても歌われており、実際にこの曲と同名タイトルのアルバムをもってオルタナティブロックの結末と見る向きもあります。
アルバム自体の音楽性は、レッチリらしいファンキーなミクスチャーロックが主体の名曲です。
Don’t Look Back In Anger/Oasis(1996年)
こちらも1990年代を代表するバンド・Oasisによる代表曲。
2ndアルバム「(What’s the Story) Morning Glory?」に収録されている「Don’t Look Back In Anger」は4番目にシングルカットされた楽曲。
タイトルをそのまま訳すと「怒って過去を振り返るな」となりますが、歌詞の内容が深いので「過ぎた事にイラつくな」「悪い思い出に捉えるな)といった意味合いに捉えられています。大体は過去よりも未来に目を向けろといった意味合いでしょうか。
弟でヴォーカルのリアム・ギャラガーではなく、兄でメインソングライターのノエル・ギャラガーが初めてリードヴォーカルをとった曲でもあります。
映画「BECK」のエンディングテーマにも起用されており、Oasisを知らなくてもこの曲を知っている人は多いのではないでしょうか。
Know Your Enemy / Rage Against The Machine(1992年)
政治色が強いメッセージを発信するミクスチャーバンドRage Against The Machineが1992年に発表したアルバム「Rage Against The Machine」に収録されている名曲です。
重量感のあるビート、ハードコアからの影響を受けたヘヴィなギターサウンド、ヴォーカルのザック・デ・ラ・ロッチャの切れ味するどいラップと、どこをとっても過激的なサウンドです。
そもそもバンド名が「機械に対する怒り」なのだから曲が怒りに満ちているのも当然と思えますね。
この「Know Your Enemy」もそんな体制への怒りを体現している曲のひとつです。
ここで歌われる「敵」はアメリカの制度であり、アメリカそのもの。「Know Your Enemy 」は制度によって精神的・肉体的にも抑圧的な支配に対する抵抗を歌っているのです。
Everlong / Foo Fighters(1997年)
ニルヴァーナのフロントマンであったカート・コバーンが1994年に亡くなったあと、残されたメンバーでドラマーだったデイヴ・グロールはFoo Fightersを結成します。
「Everlong」はそんな彼らの 2ndアルバム「The Colour And The Shape」に収録されている楽曲で、シングルとして1997年8月にリリースされました。
アルバム自体もダイナミズムと洗練さが同居した名作であり、ファンの間でもバンドの最高傑作の呼び声が高い作品です。
デイヴ・グロール自身はこの曲を作った時には奥さんと離婚、家も失いバンドも解散の危機にさらされていましたが、何とかどん底を回避。
Everlongとは「不滅の〜」、「永遠の愛」といった意味を持つスラングで、歌詞の内容は困難な時に運命の女性と出会うラブソングです。
Enter Sandman / Metallica(1991年)
スラッシュメタルバンドとして先鋭的に1980年代のHR/HMシーンを駆け抜けたMetallicaを次のステージに引き上げたのが名盤「Metallica」でした。
「Enter Sandman」はそんな新生Metallicaを決定的に印象付けたアルバムのリードシングル。
かつての勢いに溢れたサウンドはなりを潜め、暗めのトーンでミドルテンポの楽曲は既存のファンに衝撃を与え、新しいファン層を開拓しました。
若さに溢れていたMetallicaも1990年代に入り音楽的な成長を飛躍的に遂げたことを感じさせてくれる名曲です。
アルペジオが印象的なイントロに、当時の流行でもあったグランジやオルタナティブロックの影響を上手く取り込んだヘヴィなサウンドは現在でも皆に愛されている至高のロックチューンです。
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ニルヴァーナの登場と活躍は、グランジやオルタナティブロックの枠内だけにとどまらず当時の音楽シーン、ひいては1990年代のポップカルチャー自体を牽引するような出来事でした。
今ではニルヴァーナの名盤「Nevermind」のアルバムジャケットがプリントされたTシャツがファッションアイテムとして定番になり、ニルヴァーナを知らない人でもあの赤ちゃんがプールに飛び込んでいるジャケットを見たことはあるはずです。
ファッションアイコンでもあるニルヴァーナの人気を決定づけたのが、1991年に発表された「Smells Like Teen Spirit」です。
曲名は、1990年代に活動していたガールズパンクバンドBikini Killのヴォーカルがホテルの部屋の壁に「カートはティーン・スピリットの匂いがする」と落書きしたことに由来しています。
ティーン・スピリットは制汗剤のブランドだったのですが、カートはそれを知らずに
自身へのキャッチフレーズとして受け止めて曲名にしたといいます。
カートの勘違いでつけられた曲名ですが、いまではオルタナティブロックのアンセムとして広く知られ、グランジロックといったジャンルを一気にメジャーにした名曲です。
Sabotage / Beastie Boys(1994年)
白人ラップの先駆けBeastie Boysが1994年に発表したアルバム「Ill Communication」からのファーストシングルが「Sabotage」
1990年代を代表する楽曲としても有名ですが、MVはもっとインパクトがありました。
スパイク・ジョーンズによる監督作品で70年代の刑事ドラマをオマージュしたアクションシーンとビジュアルに度肝を抜かれた人は多かったはず。
Beastie Boysの得意な悪ふざけややんちゃなイメージが楽曲や映像と上手くマッチしていて最高でした。
しかし、楽曲発表からすでに30年近く経った今でも「Sabotage」が意味するものは、反宗教的なものなのか?またはパパラッチに関した曲なのか?とファンの間でも諸説ある曲なのです。
Vertual Insanity/Jamiroquai(1996年)
アシッドジャズをベースとしたポップな曲調で日本でもヒットした「Virtual Insanity」は、ヴォーカル、ジェイ・ケイのソロプロジェクトJamiroquaiの代表曲。
洗練されたサウンドは勿論、この曲を有名にしたのはMVの動く床でしょう。
ジェイ・ケイがまるで床の上を滑りながら歌っているMVはシンプルな構成ながら、初めて見た人はCGなのか?リアルなのか?と混乱するくらいに床や家具が動いているのです。
実際はスタッフが人力で動かしているアナログな作りのMVでしたが、始めてみた時はびっくりしたものです。
Buddy Holly / Weezer
1992年結成、1994年にメジャーデビューしたオルタナティブロックバンドWeezerの初期の代表曲といえば「Buddy Holly」
アルバムの日本盤の帯には「泣き虫パワーポップ」と書かれている通り、彼らの特徴はメロウで甘く切なげなポップサウンド。
「Buddy Holly」もWeezer節ともいえるポップな一曲です。
相手のことを護りたいというプラトニックな想いを歌った歌詞ですが、曲の最後には相手を護れていない感じもWeezerらしいですね。
スパイク・ジョーンズが監督したMVも、50年代のファッション、70年代のテレビドラマオマージュとノスタルジックな雰囲気と魅力にあふれていて人気でした。
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まとめ
1990年代洋楽ロックの名曲を紹介しました。
もちろん紹介した以外にもたくさんの名曲が1990年代には生まれました。
1990年代には、Youtubeもサブスクもまだ存在せずCDが熱かった時代。新譜が出るたびにレコードショップに通った日々が誰しもあるのではないでしょうか。
たまにはYouTubeやオンラインではなく、CDで昔の名曲を聴いてみるのもいいものですよ。