90年代はダンスミュージックが盛り上がった年。
80年代の踊れるジャンルは、ディスコサウンドやテクノポップが主流でしたが、1990年代に入るとハウスなどの打ち込みを活かしたダンスミュージックが台頭。サウンドやダンスはより先鋭化していきました。
さらに1990年代中ごろから後半にはファットボーイ・スリム、ダフトパンク、アンダーワールドのようにUK/ヨーロッパのクラブシーンからDJや革新的なアーティストを多く輩出し、多様性に富んだ10年間を作り上げました。
今回紹介するのは、思わず身体が動いてしまうようなダンスミュージック曲ばかりです。
目次
- U Can’t Touch This / MC Hammer (1990年)
- Rockafeller Skank / Fatboy Slim(1998年)
- Unbelievable / EMF(1990年)
- Gonna Make You Sweat (Everybody Dance Now) / C&C Music Factory(1990年)
- Vogue / Madonna(1990年)
- Groove Is In The Heart / Deee-Lite(1990年)
- Los Del Rio – Macarena (Bayside Boys Remix)(1995年)
- Black Or White / Michael Jackson(1991年)
- Don’t Call Me Baby / Madison Avenue(1999年)
- Baby Got Back Sir Mix-A-Lot (1992年)
- まとめ
U Can’t Touch This / MC Hammer (1990年)
もはや説明が不要なくらい流行ったのがMCハマー。「U Can’t Touch This」はハマーのセカンドアルバム「Please Hammer Don’t Hurt ‘Em」に収録された、ハマーにとっての出世作であり代表曲。
90年代だけでなくこれまでに発表されたダンスソングの中でも屈指のグルーヴ感を誇っています。
日本でもとんねるずの石橋貴明さんがMCタカーとしてパロディをしたり、MCコミヤが「遣唐使です」といった原曲歌詞を無視した替え歌カバーを発表するくらい盛り上がりました。
当時の小学生達はMCハマーが誰かはわかっていなくても、「U Can’t Touch This」と黒人の踊っている人という認識はもっていたはずです。
もともとメジャーリーガーを目指していたMCハマーがトライアウトで落ち、海軍を経てミュージシャンとなり、「U Can’t Touch This」で1800万枚セールスを達成するなんて実にアメリカらしいサクセスストーリーですね。
当時の人気が最高潮の時には、MCハマー人形が発売されたり、ペプシ・コーラのCMにも出演したとか。もはやヒップホップの枠からも大きく飛び出た国民的スターでした。
Rockafeller Skank / Fatboy Slim(1998年)
イギリスの有名DJ/プロデューサー・ノーマン・クックが手がけるプロジェクトファットボーイ・スリムの1998年のヒット曲。
90年代後半にはダンスミュージックとロックサウンドを融合させたサウンド「Big Beat」が流行、この曲は「Big Beat」を取り入れたドライブ感のある曲に仕上がっています。
エネルギッシュなドラムビートがループして歌って踊れる曲です。
2012年に開催されたロンドンオリンピックの閉会式でも、ファットボーイ・スリム自身がDJする形で演奏されるほど人気のある初期の代表曲です。日本でもバラエティ番組やCMソングに起用されたことがあるので、ファットボーイ・スリムを知らなくても曲を聴いたことがある人は多いはず。
Unbelievable / EMF(1990年)
EMFはイギリス出身のオルタナティブロックバンド、打ち込みやダンサンブルなビートとバンドを融合したスタイルで人気でした。
「Unbelievable」は1990年にリリースされた彼らのデビューシングル。男女関係の悩みを皮肉った歌詞にブンブンうなるギター、そして安定したビートはダンスするにはもってこいなサウンド。
当時はテクノやHipHop、ダンスミュージックを取り入れたバンドサウンドは珍しかったこともあり、イギリス出身のバンドでありながらアメリカでも人気がありました。1991年7月にはビルボードチャートで1位を奪取する快挙も成し遂げています。
アメリカ国内でのプロモーションに対しても割と消極的だったのにヒットしてしまった背景には、アメリカのリスナーが新しく刺激的なサウンドを求めていたと言われています。
同じイギリス出身でダンスミュージックを取り入れたジーザズジョーンズとも一緒に語られることが多いEMF、当時としては中々斬新なスタイルで日本でも人気がありましたね。
Gonna Make You Sweat (Everybody Dance Now) / C&C Music Factory(1990年)
1990年代ダンスミュージックのベストソングといえば、C&Cミュージック・ファクトリーの「Gonna Make You Sweat (Everybody Dance Now)」を挙げる人も多いでしょう。
歌手のマーサ・ウォッシュとラッパーのフリーダム・ウィリアムズによるデュオグループで、この曲はアメリカ以外にも、オーストリア、ドイツ、スウェーデンでチャート1位を獲得。
学校のダンスパーティーから家族の結婚式まで、あらゆるパーティーで耳にしたであろうヒット曲です。
日本では、邦題の「エヴリバディ・ダンス・ナウ!」の雄方が通じるでしょうか。それまではユーロビート全盛だった日本のダンスフロアにヒップホップの波を本格的に持ち込みました。
日本テレビのバラエティ番組「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」内の人気企画「高校生制服対抗ダンス甲子園」のテーマとして使用され人気に火が点きました。
Vogue / Madonna(1990年)
既に80年にトップアーティストとして君臨していたマドンナによる1990年発表のシングル曲が「Vogue」
ポップミュージックにおけるダンスクラシックであり、当時はまだ一部でしか知られていなかった「ヴォーギング」と呼ばれるダンスをいち早く取り入れたことでも有名です。
ハウスミュージックを代表する曲でもあり、デヴィッド・フィンチャーが監督を務めたMVもモノクロを主体とした映像が大きな話題を呼びました。
90年代に関連する記事について
Groove Is In The Heart / Deee-Lite(1990年)
アメリカのダンス/ポップ・バンド、ディーライトが1990年にリリースしたシングル「Groove Is In The Heart」は、ミュージックビデオのサイケデリックでトリッピーなビジュアルが特徴的でした。
サイケデリックでポップなスタイルを信条としているディーライトの代表作で、ドライヴ感に溢れていてグルーヴィーな楽曲はまさに踊りたくなる一曲です。
Los Del Rio – Macarena (Bayside Boys Remix)(1995年)
ロス・デル・リオは、1962年に結成されたラテン・ポップスのスペイン人デュオ。
今や世界中の人々に知られるようになったのはヒット曲「マカレナ」がきっかけでしょう。もともとは1993年に発表されましたが、ベイサイドボーイズによるリミックスバージョンが1995年にリリースされると、中毒性のある楽曲とダンスで1996年に世界的大ヒットに。
日本でも邦題「恋のマカレナ」としてリリースされ、上半身を大きく動かして踊る「マカレナ・ダンス」も一緒に大流行。タレントや有名人がこぞって「マカレナ・ダンス」を踊る動画を発表していました。
この曲は、90年代の人なら具体的なダンスのシークエンスを知っているのではないかと思われるほどのヒット曲です
Black Or White / Michael Jackson(1991年)
マイケル・ジャクソンの90年代ヒットといえば、1991年にリリースされたヒット・シングル「Black Or White」を思い浮かべる人も多いでしょう。
ポップカルチャーの頂点に上り詰めたマイケルによる、ヒップホップとロックの融合が特徴的な楽曲です。
マイケルのエキサイティングでリズミカルな歌声は、曲全体を通してタイトなビートを保ち、様々な人種や文化圏の人と交わる内容のMVもメッセージ性が強く見ごたえがありました。
Don’t Call Me Baby / Madison Avenue(1999年)
マディソン・アベニューは1990年代後半から2000年代初期にかけて活躍したオーストラリアのエレクトロデュオです。
活動期間は意外と短めで2003年には解散してしまい、スタジオアルバムも1枚しかリリースしていません。「Don’t Call Me Baby」はその最初のアルバム「The Polyester Embassy」からのシングルカット。
2000年にイギリスとニュージーランドのチャートで1位を記録するなど、ダンスミュージックシーンでの人気もありました。
強い女を象徴するような一曲で、グルーヴィーな雰囲気が特徴的でした。
Baby Got Back Sir Mix-A-Lot (1992年)
アメリカのHipHopグループ、サー・ミックス・アロットの 代表曲「Baby Got Back 」は、1992年のアルバム『Mack Daddy』に収録されたヒップホップの名曲です。
90年代のパーティーでは必ずといっていいほど曲がかかり、多くの映画やテレビ番組でもフィーチャーされていました。
シングルリリース当初は露骨に性的な歌詞と、性的な内容のMVが取り沙汰されたりもしましたが、累計で200万枚以上を売り上げるなど、アメリカのダンスミュージック、HipHopカテゴリーの中でも大ヒットした楽曲です。
まとめ
1990年代はダンスミュージックもどんどん進化して、多様性を増していった10年間でした。90年代の始めはMCハマーやC&Cミュージック・ファクトリーも日本のテレビ番組へ出演していたりと、本当に世界的にヒットしていたことが分かりますね。
当時のダンスミュージックを振り返るとノスタルジックな気持ちになるだけでなく、大人の視点だからこそ感じ取れる新たな発見がありますね。
こちらの記事を参考に、是非90年代ダンスミュージックを振り返ってみて下さい。
最近では「ジデン」という方が、90年代テイストを特徴とした楽曲を制作しています。90年代の音楽を知る参考になればと思います。