流行語は、流行った時代を映し出す鏡の様な存在。昔の流行語を耳にすることで当時の記憶が鮮明によみがえったりしますよね。
ちなみに令和に入ってからの流行語には、「親ガチャ」「推し活」「うっせぇわ」などがありますが意味わかりますか?
今回は「(ユーキャン)新語・流行語大賞」をもとに90年代に流行した言葉を振り返ってみました。
あの当時をぜひ思い出して懐かしい気持ちに浸ってみてください。
1990年
バブル経済の崩壊を目前に控えた1990年、昭和は前年の1989年で終わっており平成はすでにスタートしていました。
バブル時代のどこかはしゃいだ空気がまだまだ世の中に蔓延していた時期に流行っていた流行語には
- ファジイ
- ブッシュホン
- オヤジギャル
- アッシーくん
- ちびまる子ちゃん
- バブル経済
- 一番搾り
- パスポートサイズ
- 愛される理由
- 昭和生まれの明治男
- 気象観測史上(はじめての…)
- スペシャルゲスト
といった言葉がノミネート。
さすがに30年前に流行った言葉なので全てを思い出すのは難しい気もしますね。
バブル時代を感じさせてくれる「オヤジギャル」や「アッシーくん」といった軽薄さがなんともいえませんね。
ちなみに「おやじギャル」は中尊寺 ゆつ子 さんの漫画に描かれたおやじ世代のような行動を取る若い女性の意味でした。
「アッシーくん」は女性を車で送ってくれる男性のこと。同様にご飯をおごってくれる男性を「メッシーくん」とも呼んでいましたね。
全部理解できるのは平野ノラさんやベッドインの2人を連れてこないと難しいかもしれません。
1991年
バブル経済も崩壊した1991年、景気の後退が見られるようになったものの世の中はまだまだ浮かれムード。
ジュリ扇を振って踊る「ジュリアナ東京」がオープンし、若貴兄弟による「若貴フィーバー」がワイドショーを賑わせていました。
そんな1991年は
- …じゃあ~りませんか/ちゃーりー浜さん
- ひとめぼれ
- 八月革命
- 川崎劇場
- 地球にやさしい
- 紺ブレ
- 若貴
- 重大な決意
- 武井 共夫さん(全国証券問題研究会)
- 僕は死にましぇ~ん/武田鉄矢さん(俳優)
- ダダーン ボヨヨン ボヨヨン
- ダンス甲子園
- 大川 隆法さん
- 雅美さん 雅子さん「たぬき顔」
といった言葉が流行語になりました。
「地球にやさしい」も今ではSDG’sに、「ダンス甲子園」は日本テレビで放送されていた「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」の人気コーナー。当時出演していた山本太郎さんが後に政治家になるとは思いませんでしたね。
「僕は死にましぇ~ん」のノミネートはフジテレビ系列「101回目のプロポーズ」のヒットからで、トレンディドラマ全盛の90年代ならでは。
1992年
海外では湾岸戦争が勃発しており、平和への関心が高まっていた1992年。
バルセロナオリンピックも開催されていて、世界と日本といった対比やグローバリズムの広がりが特徴的な1年でした。
そんな1993年を象徴する流行語には、
- きんさん・ぎんさん
- 「うれしいような、かなしいような」
- 「はだかのおつきあい」
- ほめ殺し
- カード破産
- もつ鍋
- 複合不況
- 9K
- 謝長悔長
- 浦上由子さん(主婦)
- 冬彦さん
- ねェ、チューして
- 上申書
- 宇宙授業
- 歌手の小金沢クン
- 小金沢 庄司さん(歌手)
- ツインピークス
- Time for change
などがあります。
「カード破産」「複合不況」といったワードにバブル経済の崩壊による影響が見て取れます。
また、現在のようにNetflixやAmazonprimeのない時代にデヴィッド・リンチ監督による海外ドラマ「ツインピークス」が大ヒットしたのも興味深いですね。
1993年
1993年といえば何といってもJリーグの開幕が有名ですね。
日本全国でサッカーブームがおこり少年たちはこぞってサッカーボールを蹴りだしました。
女性の社会進出も顕著になっていく一方で失業率の高さにも注目されるようになりました。
- Jリーグ
- 設楽りさ子さん(女優)
- 新・○○/坂本一生さん(タレント)
- FA(フリーエージェント)
- 規制緩和
- 天の声
- 親分
- 聞いてないよォ//ダチョウ倶楽部(コメディアン)
- お立ち台
- 2500円スーツ
- ウゴウゴ・ルーガ
- たま・ひよ(族)
- 悪妻は夫をのばす
「Jリーグ」「設楽りさ子」が流行語になっていることでサッカーブームの大きさを感じます。
「親分」は元プロ野球選手でコーチ・監督、解説者・評論家で有名だった大沢 啓二さんで2010年に死去、「聞いてないよォ」はもちろんダチョウ倶楽部さんの持ちネタです。
1994年
1993年がサッカーの年なら1994年はオリックスのイチロー選手が大ブームになった年でした。
スポーツ界は明るい話題が多かったものの政治、経済においてはバブル崩壊の影響により不況が深刻になっていました。
そんな1994年には、
- すったもんだがありました
- イチロー(効果)
- 同情するならカネをくれ/安達祐実さん(女優)
- 価格破壊
- ヤンママ
- 新・新党
- 大往生
- 人にやさしい政治
- 契約スチュワーデス
- 関空(かんくう)
- ゴーマニズム/小林よしのりさん(漫画家)
- 就職氷河期
といった流行語が生み出されました。
円高だが物価が下がらないため「価格破壊」に乗り出したダイエーグループや「就職氷河期」といったワードからは当時の日本の不況感が鮮明に伝わってきます。
1995年
この年の1月に阪神・淡路大震災が発生、3月にはオウム真理教による地下鉄サリン事件が起きたことで衝撃的な一年となってしまった1995年。
それまでの日本に対してあった安全神話は崩れ落ち、不安な気持ちになることも多かったですね。
- 無党派
- NOMO/野茂英雄さん(LAドジャース)
- がんばろうKOBE
- ライフライン
- 安全神話
- だ・よ・ね(DA・YO・NE)ま、いっか(MAICCA)
- 変わらなきゃ
- 官官接待
- 見た目で選んで何が悪いの!
- インターネット
この年の流行語には、「ライフライン」「安全神話」といったワードがノミネート。
震災や大規模な事故が起こってしまう現実に大きな不安を感じたものです。
そして「インターネット」が流行語になったことも見逃せません。
Windows95が発売されたのもこの年で、ここから徐々にインターネットが普及していきました。
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1996年
アトランタオリンピックの開催や「薬害エイズ問題」が大きな話題を呼んだ1996年に流行っていたのは
- 自分で自分をほめたい
- 友愛/排除の倫理
- メークドラマ
- 援助交際
- ルーズソックス
- チョベリバ/チョベリグ
- 閉塞感(打開)
- アムラー
- 「ガンと闘うな」(がんもどき理論)
- 不作為責任
といった言葉たち。「自分で自分をほめたい」はアトランタオリンピックの女子マラソンに出場した有森裕子さんが力を出し切ったあとに言った名言。
「ルーズソックス」「チョベリバ/チョベリグ」といった女子高生に関連した言葉が大流行。
女子高生にも大人気だった安室奈美恵さんのファッションを真似た「アムラー」も大きな話題になりました。
「援助交際」も女子高生関連の流行語なので、1996年は女子高生ブームでもあったのでしょうか。
1997年
世の中では郵政民営化議論が巻き起こり消費税が3%から5%へなった1997年は
地方銀行や証券会社の経営破綻が大きな話題になりました。
また神戸で起きた酒鬼薔薇聖斗事件に代表されるような未成年の犯罪もクローズアップされた年でもありました。
- 失楽園
- たまごっち
- 時のアセス(assessment)
- ガーデニング
- 日本版ビッグ・バン
- 透明な存在
- もののけ(姫)
- パパラッチ
- マイブーム
- 郵政3事業
日本の金融・証券業界がグローバル・スタンダードにならざるをえなくなった「日本版ビッグ・バン」、当時の厚生大臣・小泉 純一郎 さんによって打ち出された「郵政3事業」がノミネート。
不倫ブームを生み出した「失楽園」も流行語になっていますが、現在のコンプライアンスとは真逆の倫理観が面白いですね。
1998年
完全失業率が過去最悪となって戦後最悪の不況を迎えたといわれる1998年。
毒物混入・無差別大量殺傷事件の「和歌山カレー事件」や孤独死が社会問題化しはじめるなど閉塞感が漂った一年となりました。
- ハマの大魔神
- 凡人・軍人・変人
- だっちゅーの
- 環境ホルモン
- 貸し渋り
- 老人力
- ショムニ
- モラル・ハザード
- 冷めたピザ
- 日本列島総不況
- スマイリング・コミュニスト
- ボキャ貧
不況が目に見えて深刻化していった年でもあり、ネガティブなイメージの流行語がたくさん生まれました。
そんな中でお笑いコンビ・パイレーツによる「だっちゅーの」が一際目をひきます。
1999年
2000年を目前に控えた1999年には、コンピューターの誤動作を不安視する「2000年問題」やノストラダムスの大予言に大きく揺れた一年でした。
- 雑草魂
- ブッチホン
- リベンジ
- 学校(級)崩壊
- カリスマ
- ミッチー・サッチー
- 西暦2000年問題
- だんご3兄弟
- 癒し
- iモード
ノミネートされた「癒し」は、大規模の自然災害、テロや事件、バブル経済崩壊から連なる不況など激動の10年であった1990年代を総括するのにピッタリな一言でしょう。
まとめ
1990年代はバブルの時代からスタートしたこともあり前半はどこか世の中全体がはしゃいだムード、中盤以降にはコギャルなど女子高生ブームが全盛期だったのももありテンションの高さが感じられます。
しかし、一方で社会の不安定さを反映した流行語が徐々に混ざっていくのもよく分かりますね。