弦楽器の種類は300種類以上ある?奥深い弦楽器の世界を一覧でご紹介

弦楽器の種類は300種類以上ある?奥深い弦楽器の世界を一覧でご紹介

弦楽器は、音楽の世界で最も基本的な楽器です。弦を触ったり弾いたりすれば、弦は美しい音を奏でてくれます。

楽器に詳しくないと弦楽器と一括りにしてしまいがちですが、実は弦楽器にはたくさん種類があるのをご存じですか?

最もよく知られている弦楽器は、おそらくギター、マンドリン、ピアノ、そしてオーケストラで目にする楽器でしょう。

弦楽器には、大まかに分けて3つのタイプがあり、さらにそこから派生しているので弦楽器の種類は多数存在しているのです。なんと、世界には、弦楽器の一部と見なされる楽器だけで300種類以上もあるとか。

300種類と聞くと、想像以上に多いと感じる人も多いのではないでしょうか。

今回は、弦楽器の種類や特徴についてご紹介します。

弦楽器が弦楽器である理由

弦楽器を紹介する前に、弦楽器の構造や特徴をご紹介しましょう。

弦楽器はその名の通り、弦を鳴らして音を出す楽器です。

Wikipediaでは、

弦に何らかの刺激を与えることによって得られる弦の振動を音とする楽器の総称である。

弦の振動を得るために、弦とそれを張力をもって張っておく装置を備え、

多くの場合は得られた音を共鳴させて音を拡大するための装置を持つ。

のように記載されています。

引き伸ばされた弦の振動によって音を生成する弦楽器は、共鳴室または響板を使用して音を増幅しています。

 弦は、打たれたり、はじかれたり、こすられたり、曲がったり、時には吹かれたりすることがあり、いずれの場合も、その効果は、弦を​​通常の静止位置から変位させ、それを引き起こすことで振動させて音をだします。

弦楽器は3タイプに分類される

弦楽器には複数の音の出し方があります。

どういった方法で音を出すかによって、3つの種類に分けられています。

1.撥弦楽器(はつげんがっき)

1つは撥弦楽器です。

撥弦楽器では、通常、弦は指の先、または親指、爪、またはピックと呼ばれる指定された付属品によって弾かれます。

ピックを弦に引っ掛かけてすぐに離します。これにより、弦が振動して音を出す仕組みになっています。

バンジョー、ギター、 マンドリン、シタール、箏、リュート、ウードなどは撥弦楽器に分類されます。

ピアノの前身である ハープシコードも、羽毛の鉤状の針を使って弾かれていました。ギター・エレキベース・箏など弦をはじくことで演奏する楽器がこれにあたります。

2.擦弦楽器(さつげんがっき)

2つ目は擦弦楽器で、端から端までつるを張った弓で弦を擦ることで音を出します。

ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、ベース、 インドのエスラジなどは、弓を引き弦から音を出します。

音を短くしたり伸ばしたりは奏者のテクニックがものをいいます。

3.打弦楽器(だげんがっき)

3 番目の弦楽器のタイプは、打弦楽器です。

このタイプの弦楽器では、パーカッションのようにハンマーやばちで弦を叩いて振動を発生させることで音を出します。最も有名な打弦楽器はピアノなのです。

ピアノ以外にも一部の打楽器や、和楽器の一部も打弦楽器に相当します。

世界中の弦楽器奏者は皆、この3つの奏法によって美しい音楽を奏でているのです。

弦楽器の種類

国や時代が異なれば、演奏に使われる弦楽器も異なってきます。

東洋と西洋で、国別に代表的な弦楽器を見てみましょう。

東の弦楽器の特徴

東洋の弦楽器の特徴は、西洋の弦楽器よりも軽く、風通しがよく、ピッチが高いこととされています。

伝統的な中国やインドの民族音楽を聴いたことがある人なら分かるかもしれませんが、これは素材によるものです。東洋の弦楽器では、より細くて柔軟な弦を使っていることで繊細な音が出せるのです。

西側と東側での弦楽器の違いで大きいのは、東の調律システムが西洋の調律システムと異なることです。

例えば、アラビアのチューニングシステムでは、西洋音楽のオクターブが 24 等分されていたりします。

東洋の弦楽器

東洋の国で一般的な弦楽器のいくつかを紹介します。

日本

  • 琴(琴、二絃琴 、大正琴など)
  • 琵琶(楽琵琶 、平家琵琶、盲僧琵琶、筑前琵琶など)
  • 三味線(太棹三味線 、中棹三味線 、細棹三味線 、柳川三味線、三線など)

インド

  • シタール(ヴィーナ – ラバーブ – サーランギなど)

中国

  • 古筝 – 琴(チン) – 揚琴 – 瑟
  • 箜篌(くご)
  • 琵琶(ピーパー) – 阮咸 – 月琴
  • 三弦
  • 胡琴- 二胡 – 高胡 – 四胡 – 板胡 – 京胡 – 中胡 – 墜琴 – 秦琴

モンゴル

  • ヤトガ
  • 洋琴
  • モリンホール(馬頭琴)

朝鮮

  • コムンゴ(玄琴)- カヤグム(カヤッゴ、伽耶琴)- 牙箏(アジェン)- 瑟
  • 洋琴
  • 奚琴(ヘグム)
  • 琵琶

中東

  • カーヌーン
  • ウード – ラバーブ – セタール
  • サズ

アフリカ

  • コラ_(楽器)(Kora)
  • ニャティティ Nyatiti
  • アドゥング

西洋の弦楽器の特徴

すべての近代的な西洋の弦楽器は、バロック時代の16世紀からクラシックやロマン派の時代に至る過程で弦楽器のバリエーションが発明されています。

ミュージシャンや弦楽器製作者は、楽器のデザインを変更し続けて、音質や演奏のしやすさ、チューニングを改善してきた歴史があります。

西洋では国毎に弦楽器の種類が異なることはあまりなく、ほとんどの弦楽器が共通しています。

以下は、西洋のオーケストラでよく見る一般的な弦楽器です。

ヴァイオリン

ヴァイオリンは、楽器を首と肩の間に置いてから、弦を弓のつるでこすって音を出します。

どのオーケストラにも多くのバイオリニストがいて、その数は最大 30 人。

第1ヴァイオリンと第 2 ヴァイオリンの2つのグループに分けられ、第1ヴァイオリンのトップ奏者がコンサートマスターを担います。

21世紀の最も有名な現代ヴァイオリニストには、 ヒラリー・ハーン、 リンジー・スターリングなどがいます。

ビオラ

フルサイズのビオラはバイオリンよりもやや重厚で弦も太いため、より深い音を出します。

ビオラはバイオリンと同じように、顎と左肩の間に挟んで演奏します。

有名なヴィオラ奏者には、 タベア・ツィンマーマン、 リチャード・オニールなどがいます。 

チェロ

チェロはヴァイオリンやヴィオラと同じように見えますが、全長約4フィート(約121cm)と非常に大きくなっています。

そのため、演奏する時は座ってチェロを太ももの間に安定させます。

チェロは少し後ろに傾いており、ネックを演奏家の左肩に掛ける必要があります。

また、チェロの太い弦は、人間の声に最も近いとされる音を出します。オーケストラには 8 人から12人のチェロ奏者がいて、メロディーとハーモニーの両方を演奏します。

現代の有名なチェリストには 、ハンナ・チャン (指揮者でもある)、 ナタリー ・クライン、 ゴーティエ・カプソンなどがいます。

コントラバス

オーケストラにおけるコントラバスは、ベースギターと区別するために、スタンドアップベースまたはアップライトベースとも呼ばれています。

フルサイズのベースは長さが 6フィート(約182.88cm)を超え、他の弦楽器 (ピアノを除く) よりもはるかに太い弦を持っています。

コントラバスは立って演奏し、ネックは左肩に乗せます。

音が共鳴するため、オーケストラには通常 6〜 8 人のコントラバス奏者しかいません。

コントラバスは通常​​、ハーモニーを演奏したり、リズムセクションをサポートする役割を果たします。

現代の有名なコントラバス奏者には、 テッポ ハウタアホなどがいます。 

まとめ

弦楽器といえばギターやベースが一般的ですが、実は種類が豊富にあることが分かっていただけたかと思います。

また国や地方、年代によっても弦楽器は異なってきます。東洋と西洋を比べても同じような弦楽器なのに、奏でられる音が違うのは興味深いですよね。

弦楽器には他にも数えきれないほどたくさんの種類があります。弦の種類や太さ、素材、大きさや弾き方によっても奏でられる音は千差万別。とても奥深い楽器なんです。

知れば知るほど奥が深い弦楽器の世界、興味を持たれたら色々調べてみるのも楽しいですよ。

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