【ロックの歴史】ロックとはどんな音楽?ロックンロールとの違いは?

【ロックの歴史】ロックとはどんな音楽?ロックンロールとの違いは?

一言でロックと言っても、現在では様々なロックのカテゴリーが存在します。

あなたはどんなロックが好きですか?

ブルース?ハードロック?プログレッシブロック?

邦楽ですか?洋楽ですか?

そして、ロックってどんな音楽ですか?と訊かれた時に、音楽の特徴を説明できますか?

もしかしたらロックとは音楽ジャンルだけではなく生き方や考え方と捉えている人もいるかもしれません。

この記事では、ロックの起源から現代のロックまで、ロックがどのように変遷していったかロックの歴史を紹介します。

ロックが生まれた日

ロックは元々はロックンロールが語源で、1950年代に生まれた音楽ジャンルです。

リズム・アンド・ブルースなどから影響を受けた音楽スタイルでした。

ロックンロールの誕生

現在はロックと呼ばれていますが、当初はロックンロールと呼ばれていました。

1950 年代にアメリカとヨーロッパで人気を博した音楽スタイルです。

チャック・ベリーやリトル・リチャードなどのアフリカ系アメリカ人パフォーマーによって生み出されました。

基になった音楽には、ジャズ、リズム アンド ブルース、ブギウギ、ゴスペル、カントリー ミュージックなどがあり、アフリカ系アメリカ人の音楽が起源とされています。

楽器の編成は、ギター、ドラム、パワフルなボーカルに重点が置かれています。

何故、ロックンロールと呼ばれるようになったかは、ロックンロールの先駆者であるビル・ヘイリーのヒット曲「ロック・アラウンド・ザ・クロック」に由来しているといわれています。

またロックンロール呼びには諸説あり、ディスク ジョッキーのアラン フリードが、1951 年にオハイオ州クリーブランドを拠点とするラジオ番組で「ロックン ロール」と「ロッキン」というフレーズを使用したことが始まりとする説もあります。

ロックンロールが生まれた社会背景

ジャンルとしては1940年代後半から1950年代前半に誕生した音楽でありながら、ロックは初期から現在に至るまで常に変化と進化を繰り返してきました。

私たちが今耳にしているロックが、黒人音楽をルーツにしたものとは一聴しただけでは理解しづらいことでしょう。

ロックンロールが生まれた社会的な背景を振り返ってみると、当時のアメリカは、第34代アメリカ合衆国大統領アイゼンハワー時代でキング牧師率いる黒人解放運動もあり、各地で黒人による差別撤廃運動が盛んでした。

その一方で白人からは反発が大きく、その中心はアメリカ南部だったとされています。

黒人の子供が公立校に入学するのに反対して白人の生徒が暴動を起こしたりと、現在では考えられない状況だったのです。

そのような黒人と白人の対立もあった世相に対して、文化革命の火付け役となったのがロックンロールです。

ロックンロールは、アメリカを再形成する社会的、政治的、経済的変化と絡み合い、今日でも強力な文化的力であり続ける若者文化の台頭に貢献したとされています。

黒人のリズムアンドブルースと南部の白人のカントリー ミュージックやゴスペル ミュージックの融合から生まれた音楽であるロックンロールは、そのエッジの効いた反抗的な音楽性で、性的、人種的、そして後に政治的なタブーに挑戦することで、社会的障壁を打ち破る起爆剤となり、若者に受け入れられていったのでした。

ロックの定義

ロックンロール、つまりロックとは、

1950年代初頭にアメリカで誕生した、黒人音楽と白人音楽のハイブリッドだったのです。

ロックの生まれた社会的背景は理解できましたが、実際のロックの定義とはどのようなものなのでしょうか。

ロックとはエイトビートのリズムを強調し、エレクトリックなサウンドが特徴の若者向けな音楽とされ、1960年代以降はそれだけにとどまらず広義な意味を含んで「ロック」という音楽ジャンルが形成されていきます。

当初の黒人音楽であったロックンロールは1950年代のロックや、それに関連したダンスなどを指す言葉として捉えられていきます。

「ビートの強い音楽形式」であるという基本的な合意はありますが、ロック自体が進化と多様性に富んでいるため明確な定義は難しい状態です。

ようするにビートルズもローリングストーンズもサザンオールスターズもslipknotも、広義では皆ロックを演奏しているということですね。

そもそもロックが生まれた社会的背景を考えると、実際には、ロックファンとミュージシャンにとって重要な区別はイデオロギーと捉えることもできそうです。

ロックの歴史

1950年代に、黒人のリズムアンドブルースと南部の白人のカントリー ミュージックやゴスペル ミュージックの融合からロックが生まれてから約70年以上が経ちました。

ロックが生まれた初期から現在に至るまでの歴史にはそれぞれ、分岐点になるような出来事がありました。

それらと共にロックの歴史を振り返ってみましょう。

1950年代:ロックンロールの誕生

1950年代、ビル・ヘイリー、エルヴィス・プレスリー、バディ・ホリー、ジェリー・リー・ルイスなどの白人ミュージシャンと、チャック・ベリー、リトル・リチャード、ファッツ・ドミノなどの黒人ミュージシャンがロックンロールを生み出しました。

それまでの音楽と比較して、ロックはスピードが早く踊るのにも適していました。

ビル・ヘイリーはリズム・アンド・ブルースの曲を白人の10代リスナーに向けて再構成したと言われています。

チャック・ベリーはブルースの影響を受けて、独自のロックンロール のスタイルを生み出しました。

ロックの黎明期におけるスーパースターはエルヴィスプレスリーで、挑発的なダンスとパワフルな音楽で世界に衝撃を与えました。

彼は瞬く間に現象となりイギリスやヨーロッパでも人気を博します。その後数十年にわたって他の多くのミュージシャンに影響を与えた存在となるのは世界中の人が良く知るところでしょう。

1960年代:ウッドストック、カウンターカルチャーの象徴

元々は黒人ミュージシャンが演奏していたロックンロールを、白人が演奏し始めたことで世界的なロックムーブメントが始まっていきます。

ロックンロールは、1960年代初頭にはいつしかロックと呼ばれるようになり若者運動の中心になっていきます。

1960 年代のアメリカ社会は、ベトナム戦争、人種差別や性差別に対する抗議運動、社会規範を軽視する「カウンターカルチャー」な若者をめぐって、深刻な分断が社会問題化していきます。

1960年代にロックの世界でセンセーショナルな登場をしたのは、イギリスのビートルズです。

ビートルズ、ローリング ストーンズやキンクスなどのイギリスのロック グループの波は、アメリカのリスナーを感動させ、ロックにエネルギーを与えました。

「ビートルズ」は世界中に広がり、地元の模倣者を生み出し、新しいファッションを広めました。

フォーク シンガーであるボブ・ディランやビートルズ、さらには彼らが影響を与えたミュージシャンの探究的なロックは、当時、抗議と社会運動において大きな役割を果たしました。

1960年代には、新しいロックのスタイルも登場し、より細分化されていきます。

ザ・バーズやクロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングはカントリー ロックとフォークロックを、ビーチボーイズはサーフミュージックをベースとするサーフロックを奏でるようになります。

また、革新的なギタリスト、ジミ・ヘンドリックスはヘヴィ・メタルとハード・ロックの基礎を築いたともいわれています。

ロックは、当時の社会的背景、政治的抗議行動、不満を抱く若者のカウンター カルチャーと密接に絡み合い大きなムーブメントになっていきます。

それが形となったのが、1967 年のサマー オブ ラブであり、1969 年のウッドストックフェスティバルです。

ウッドストックには、約40万人のロックファンが会場となったニューヨーク州サリバン郡ベセルの農場に押し寄せたと言われています。抗議運動や社会運動で大きな役割を果たしました。

ロックは、1960年代には大規模な野外フェスが開催されるまでになり、一つの音楽ジャンル以上の力を持つようになるまでになりました。

1970年代~現在

1960年代の盛り上がりが過剰だったのか、1970年代初頭に、当時のロックアイコンであったジミ・ヘンドリックスやジャニス・ジョプリンがオーバードーズで死亡します。

ベトナムでの戦争は終結し、抗議運動自体が衰退しアメリカの社会的および政治的環境はより保守的な方向に舵が取られていきます。

そのような社会的背景に反抗するかのようにアメリカやイギリスでは、従来のロックよりもラウドで速く、アナーキーなパンクミュージックが勃興します。

一般的な社会的および政治的価値観に対する反抗を音楽でおこない、疎外された労働者階級の若者にアピールしました。

同じく1970年代に生まれたのは、耳をつんざくようなギターサウンドが特徴のヘヴィメタルです。ヘヴィメタルも反抗的で暴力的なサウンドを信条としています。

アグレッシブなサウンドのパンクロックやヘヴィメタルとは対照的に、ディスコ、テクノ、レイブなどのダンスミュージックも1970年代に生まれることとなります。

ロックと政治、ロックと抗議行動といったモデルは衰退したようにみえますが、一部のロックミュージシャンは、社会的および政治的問題に直接取り組み、ブルース・スプリングスティーンは、米国の外交政策と、労働者階級と貧困層の軽視を歌にして批判しました。

1970年以降はロックの思想や背景は重要視されることは少なくなり、音楽面での細分化がより進みます。

1990年代には、パンクとヘビーメタルへのカウンターとなるグランジが誕生し、シアトル出身のバンド・ニルヴァーナが世界的にヒット。

そして、現在に至るまでロックはニッチなリスナーを持つ多様なスタイルに細分化されていきました。

ロックとはどんな音楽?のまとめ

今日、「ロック」という用語は、ソフトなポップスからヘヴィメタルまで、幅広い音楽ジャンルを指すために使用されています。

しかし、元々の起源は、1950年代のジャズ、リズム アンド ブルース、ブギウギ、ゴスペル、カントリー ミュージックなどアフリカ系アメリカ人の音楽をルーツにしています。

チャック・ベリーやリトル・リチャード・エルヴィス・プレスリーの時代から考えると、ロックという音楽は大きく変化してきたことが分かります。

現在のロックが好きな方でルーツが気になった方は、ぜひ1950年代のロックンロールを聴いてみてくださいね。きっと新しい発見があるはずです。

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