もはや私たちの生活には欠かせないインターネット。
すでにインフラの域に達しています。
インターネットがなければPCやスマートフォン、タブレットでYouTubeやNETFLIXを見ることはできません。ゲームやメールもできません。
そんなインターネットが誕生したのは1969年10月29日。この日初めてコンピューターとコンピューター同士がオンライン上で繋がったといわれています。
ではホームページやホームページはどうでしょうか?
今回は、80年代から 90 年代にかけて作られ、現在も稼働しているWeb サイトを紹介します。
ダイヤルアップの時代は過ぎ去りましたが、インターネット上には過去の遺物と呼ぶべきホームページがまだまだ存在しています。
日本で一番古いホームページは?
世界で最古のホームページを紹介する前に、日本で最も古いとされているホームページを紹介しましょう。
KEK Information
日本で最初に作られたホームページは、茨城県つくば市にある文部省高エネルギー加速器研究機構 計算科学センターのものです。
森田洋平博士によって作成され、サーバー上に、日本初のHTML(Hyper Text Markup Language)ホームページが公開されました。
HTMLのソースコードは下の図の通りで、<BODY>のようなタグはありませんでした。
KEKから日本初のホームページを発信したのはKEK計算科学センターの森田洋平博士です。
森田博士は、1992年9月にCERNに立ち寄り、Webの生みの親ティム・バーナーズ=リー博士と昼食を共にしました。
話がWWWに及ぶと
「情報はネットワーク上でみんなと共有してはじめて価値が生まれる。KEKもぜひWWWサーバーを立ち上げてほしい」
とティム博士が森田博士を説得したことで日本初のホームページが完成したのです。
日付は、1992年9月30日で、当時のWWWサーバーの数は世界中で10数台ぐらいだったそうです。
こうして日本初のホームページはつくばから発信されました。
日本のホームページが約30年間に誕生したと聞くと比較的新しく感じてしまいますね。
そして現在のホームページを見ると、凄まじいスピードで進化を続けていることも分かります。
世界最古のホームページ
それでは、世界に現存する古いホームページを見てみましょう。
1 – Symbolics.com
現在では修正されていますが、PCメーカー「Symbolics」のホームページは世界最古のドメインとされています。
Symbolics.comは、アメリカだけではなく世界で一番古いドメインで、1985年の3月15日に登録されました。
会社自体は、その後、テキサス州ダラスの投資家グループによって買収され、ホームページは2010年に修正され現存しています。
2. Interrupt Tech Corp
「Interrupt Tech Corp」のホームページは、1986年9月18日に登録されました。
制作元の企業である、Interrupt Technology Corporation (ITC)は1986年4月にカリフォルニア州で創業した、非公開のコンサルティング会社です。
ソフトウェア、ストレージ、およびファイル システムを専門としていた企業で、1986年9月18日にホームページ「itcorp.com」を登録、公開しました。
ホームページはテキストだけで構成されたとてもシンプルなもので、コンタクトがとりたかったらメールで連絡をくれと記載されています。
3. Vortex Technology
「Vortex.com」のドメインは、1986 年 10 月 27 日に登録されました。このドメインは、People For Internet Responsibility (PFIR) の共同創設者であり、PRIVACY Forum の創設者でもある ローレン・ワインスタイン氏によって開設されました。
サイトの内容は、訪問者がインターネット関連情報を得るためのサイトでした。
ホームページのデザインはかなり古風ですが、これでも2017年に更新されたそうです。
4. Texas Internet Consulting
「tic.com」は 1987年4月に登録された老舗のホームページ。
ウェブサイト自体はかなり基本的なもので、90年代によく見られたテキストサイトのようです。
これまでに紹介したサイトと比較しても、ページが複数あってよりホームページらしい構成になっていますね。
Texas Internet Consultingという個人経営のコンサルティング会社のホームページが立ち上げられたようですが、現在は別の企業で働いているようです。
5. toad.com
「toad hall」は1987年に開始されたシンプルなホームページです。
当初の目的は不明ですが、このホームページは現在も運営されており、電子フロンティア財団の共同創設者である ジョン・ギルモア氏に関するニュースとリンクが掲載されています。
ギルモア氏は、オンラインでのユーザーの自由に関する大規模なコラボレーションであるGNUプロジェクトへの貢献者です 。
ホームページ上の他のリンクのいくつかは、言論の自由、ドメイン名システムのセキュリティ、ギルモアの請願、旅行中に身分証明書を提示するという連邦政府の要件に対する訴訟、およびこの活動家の他の居場所などを掲載しています。
6. Caine, Farber & Gordon, Inc
ドメインは1987年に登録され、ホームページも同年に開設されました。
Caine, Farber & Gordon, Incは1970年に設立された企業で、 PDL/81 プログラム設計言語プロセッサで最もよく知られているソフトウェアおよびシステム会社です。
7. Milk.com
1994年にダニエル・ボーンスタイン氏によって開設されたホームページ。ボーンスタイン氏は、サイトの最後に「I got milk.com」と記載、有用なパブリック ドメインとして1,000万ドルで売るとも発信しています。
内容には乏しく、質問やおすすめの音楽ページ、リンクなどがあります。
9. acme.com
「ACME Laboratories」は 1994年に登録された、最も古いホームページであり、現在も機能しています。
「Acme Laboratories」は、 Web サイトが一般的に利用可能になる前から長く機能していました。
内容は、都市の地図、フリーウェアライブラリ、JavaScript ユーティリティ、Web ブラウジングを容易にするためのチュートリアルとリソースを提供するフリーウェア サイトです。
ウェブサイトで説明されているように、ACMEとはギリシャ語の「頂点」または「最高点」に由来しています。
10.info.cern.ch
「 info.cern.ch」 は 1991 年に開設された世界初のホームページです。
サイトのトップに「home of the first website」とあるように、世界初のホームページであることを強調しています。
Webの生みの親であるティム・バーナーズ=リー博士は、1989年にWorld Wide Web (WWW) を発明した人物。
さらにハイパーテキストシステムを実装・開発し、URL、HTTP、HTML の最初の設計をしたのもティム博士です。
1991年以前にも取得されたドメインやホームページはあり、厳密には世界で最初のホームページではありませんが。ホームページは現在も運営されています。
まとめ
インターネットの歴史自体は古く1960年代から存在はしていたものの、ホームページが個人や企業によって開設されたのが80年代後半から90年代初頭、その後のインターネットやデバイスの進化は皆さんもご承知の通りです。
ホームページ自体ができたのが約30年前というのは意外と最近に感じますが、現在のホームページやITを知っていると進化のスピードが凄まじかったのが良く分かりますね。
今回、紹介したホームページはまだ稼働しているので、興味を持った方はぜひアクセスしてみてくださいね。