新しい学習指導要綱で小学校からプログラミングの授業が必修科目になったこともあり、現在のおもちゃはとてもハイテクです。
私たちが子供の頃(だいたい1980年代に生まれ90年代のおもちゃで遊んでいた世代)のおもちゃといえば、昭和のおもちゃほどアナログではなくかといってハイテク過ぎもしないといったところでしょうか。
ゲームボーイやスーパーファミコンの様なテレビゲーム一択かと思いきや、電子機器とアナログのバランスがちょうど良かった気もします。
今回は、「90年代に流行った男の子向けおもちゃ⑮選」と題して当時の懐かしのおもちゃを紹介します。
1.バトマスターズ
90年代後半には木村拓哉さん、反町隆史さんがバス釣りをしているのが芸能ニュースとして取り上げられたり、テレビや雑誌でもゲーム感覚のルアーフィッシングが紹介されるなどバス釣りブームが発生しました。
それまでは釣りといえば静かに嗜むイメージでしたがルアーを駆使したバス釣りは、今まで釣りをしたことがない人を海や川へ駆り出したのです。
そんなブームを受けたのか、子供向けにバス釣りを体感できるゲームも発売されました。それが「バスマスターズ」です。
テレビのリモコン程度の機械にルアーを模したハンドルがくっついているという、アナログと電子機器が融合したThe90年代なおもちゃです。
バスがヒットすると機械がブルブルと振動、実際にリールを巻き上げると液晶画面のバスも釣れるという早すぎたバーチャルバスフィッシング体験ゲームですね。
2.ビーダマン
(出典:競技玩具研究所)
ビーダマンはタカラから発売されていたビー玉を発射する人形型のおもちゃ。ビー玉だからビーダマンていう安直さが90年代のおもちゃらしくて好きです。
一番最初のシリーズは1993年発売で、人気ゲーム「ボンバーマン」とのタイアップ商品でした。
しかし「ボンバーマン」のキャラクターでは地味すぎたのか、1996年に発売されたシリーズからはオリジナルの要素がプラスされ、オリジナルデザインのキャラクターとしても独自の展開を見せていきました。
ビーダマンシリーズは常にアップデートされていき、商品展開は幾度となくされており、コロコロコミックでの漫画連載やアニメ化もしています。
おなかのビー玉を飛ばすためにモーターが使われたりフライホイールが使われたり、更には追加パーツ仕様で時速30キロ以上で飛ばされるようにできたりと、対象年齢は6歳としながらも工作意欲の高い学生や大人も楽しめる仕様になったことが人気の秘訣でもあります。
3.バトル鉛筆
(出典:オークファン)
元はサイコロ鉛筆がベースになっているであろうおもちゃです。
サイコロ鉛筆は、六角柱の鉛筆の根元に1〜6までのサイコロの目がプリントされていて、サイコロと同じく上面に出た数字を使用して遊びます。
バトル鉛筆は、2人で交互に鉛筆を振って、プリントされているダメージ数や文章に沿って優劣や勝敗を決めるのが大まかなルール。
1993年から販売がスタートしましたが、本格的にブームになったのは1995年ごろから。1998年には「ドラゴンクエストモンスターズバトエン」として更に人気のおもちゃになっていきます。
子供達には「バトエン」の相性で親しまれ、鉛筆だけで気軽に楽しめたのが人気の秘訣でしょうか。
当時はドラゴンクエストやファンタジー要素のRPGゲームも人気だったので、同じテイストを引き継いだバトル鉛筆も子供心に刺さったのでしょう。
鉛筆を削って文具として使用するとプリントされた文章やイラストが見えなくなってしまうので、実際に鉛筆として使う子供はほとんどいませんでした。
どちらかというとトレーディングカードのようなアイテムとして使用されていた記憶があります。
販売しているメーカーも文具として考えていないようで、後から発売されたシリーズはどんどん鉛筆が大きくなったりもしていました。
4.ポケットピカチュウ
(出典:オークファン)
「ポケットピカチュウ」は万歩計と育成ゲームを融合させた電子ゲームです。
ピカチュウと同じブラックとイエローのカラーリングでゲームボーイに似たボディと、歩いて貯めた「ワット」をピカチュウに与えて親密度を上げていきます。
親密度が上がると「ポケットピカチュウ」のなかのピカチュウが色々な動きをしてくれるので、この時期のユーザーの歩数は大分増えたのではないでしょうか。
あと本体を振ることで歩数としてカウントされるので、歩かないで振っている人もたくさんいました。
1999年に発売された「ポケットモンスター 金・銀・クリスタル」に赤外線で「ワット」数のデータを送ると入手できるアイテムがあったり、液晶画面がカラーになった「ポケットピカチュウカラー 金・銀といっしょ!」が新規で発売されるなど、ただの万歩計+ゲームでは収まらない拡張性も話題となりました。
任天堂が後に「リングフィットアドベンチャー」を大ヒットさせますが、ユーザーの健康とゲームに初めてフォーカスしたのが「ポケットピカチュウ」かもしれません。
5.デジタルモンスター
(出典:プレミアムバンダイ)
90年代にバンダイから発売され大ヒットしたゲームに「たまごっち」があります。
「たまごっち」はどちらかというと女の子向けのおもちゃだったので、男の子向けにバトル要素を追加した育成ゲームが「デジタルモンスター」でした。
最初の発売は1997年の6月で、累計で800万台を売り上げています。手のひらに収まる携帯型で持ち運びが自由なので、本当にどこでもゲームができたのもたのしかったですね。
さらに大ヒットした要因としてテレビアニメの開始もあります。
アニメは1999年から開始しましたが、日本だけではなく海外でも放映し、日本と同じようにヒットしていったそうです。
90年代にはゲームボーイのように持ち運びができるゲーム機の出現によって、子供たちのライフスタイルも変わったのが大きな変化でした。
6.ハイパーヨーヨー
(出典:BuzzFeed News)
ハイパーヨーヨーがブームになったのは1997年から2000年ごろでした。
それまでも子供のおもちゃとしてヨーヨーはありましたし、テレビドラマの「スケバン刑事」シリーズによってヨーヨーがヒットした時期もあります。
しかし、ハイパーヨーヨーとそれまでのヨーヨーとでは圧倒的に性能面が違いました。固定軸のモデルだけではなく金属ベアリングを内蔵させたモデルの発売により、これまでのヨーヨーを上回る性能を持つようになりました。
進化したのは性能だけではなく値段も従来のヨーヨーを上回っていました。平均の価格は2,000円台でしたが、金属ベアリングを搭載した高級モデルは販売価格5,000円を超え、子供のおもちゃとしては高級志向でした。
ビーダマンやミニ四駆同様、ヒットの陰にはコロコロコミックの存在があり、1997年~1998年はお店でも品切れが続出、実際にハイパーヨーヨーのイベントが毎週末に開催されるほどでした。
1998年4月4日に幕張メッセで開催されたバンダイ主催のイベント「第2回 ハイパーヨーヨー・ジャパン・チャンピオンシップ」では観客動員数4万人を突破。ヨーヨーの単独イベントでは史上最多だったそうです。
7.ジターリング
(出典:Qoo10)
ジターリングとは大きな鉄製の輪に小さなリングが5個ついているおもちゃ。
遊び方は、大きな輪を回しつつ小さなリングも弾いて両方の動きを止めずに回し続けます。スムーズに回し続けるには左右の手で交互にリズムよく回さなくてはいけないので難易度も高めでした。
販売は1997年とハイパーヨーヨーと同時期でしたが、ハイパーヨーヨーほどは流行らなかったイメージがあります。
大ヒットといかなかった背景には、ハイパーヨーヨーのブームに隠れてしまったことと遊ぶまでの技術の習得が子供に難しかったなどがあるのかもしれません。
実際に買っている子供もいましたが、友達同士で楽しむ感じでもなかったですからね。
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8.ファービー
(出典:BuzzFeed News)
ファービーを覚えていますか?
ファービーとは1999年に発売されたフクロウとハムスターを合わせたような毛むくじゃらのぬいぐるみです。
音声認識装置が内蔵されていて、しゃべりかけていくと言葉を覚えて喋ったり、耳や身体が動き瞬きもするのが当時としては斬新でした。
音声認識装置は別のファービーの鳴き声にも反応するため、ファービー同士で会話もできる(風)とあって、裕福な家の子はファービーを2体持っていたりもしました。
2005年と2012年には新型モデルが発売されており、根強い人気があるおもちゃです。
9.パワーペン
(出典:駿河屋)
パワーペンはペンの持ち手部分に様々なギミックが仕込まれているボールペンのシリーズの総称です。
FMラジオ、ダーツ、バスケットゴール、トランシーバー、望遠鏡などとても文房具とは思えないラインナップに当時の子供は度肝を抜かれたものです。
ボールペンではあるけれど実際に文房具として使っている人はいなかったように思います。
小学生くらいの時はこういったギミックがとてつもなく格好よく思えたのは何だったのでしょうか。
子供向けのアイテムとしては性能も良く、いまだにメルカリなどのフリマアプリで高値で取引されています。
10.ベイブレード
(出典:BuzzFeed News)
ベイブレードは1999年に発売された最新型のベーゴマ、、、、と言い切っていいのか迷ってしまうほどにオリジナリティの高い現代版のベーゴマです。
ベーゴマ自体は昭和から親しまれていましたが、ベイブレードはレイヤー、ディスク、ドライバーといったパーツを組み合わせることで自分だけのベイブレードがカスタマイズできるのが斬新でした。
ベイブレードもハイパーヨーヨーやミニ四駆と同じ様にコロコロコミックでのコミカライズがされ、メディアミックスで人気に火が点いたように思います。
伝統的な玩具に競技性を持たせて子供に流行らせる手法は販売元のタカラトミー(当時はタカラ)のお家芸といった感じで、大人になって振り返るとメーカー側の戦略性の高さや上手さを実感しますね。
11.ミニ四駆
(出典:BuzzFeed News)
ミニ四駆の最初のブームは80年代で、90年代のブームが第二次ブームにあたります。
第一次ブームは80年代後期から90年ごろに類似品が乱発されるなどクオリティの低下と共に終了。
1994年にコロコロコミックで「爆走兄弟レッツ&ゴー!!」が連載開始、同じタイミングでタミヤから「マグナムセイバー」「ソニックセイバー」が同時発売されたことですぐミニ四駆熱が子供の間で高まり第二次ブームが始まりました。
第一次ブームの時はタイヤが露出しているフォーミュラー型が人気でしたが、90年代のミニ四駆はタイヤが守られたフルカウル型が主流でした。
ミニ四駆といえばパーツを追加したりモーターを選んで独自のカスタマイズが出来ることが当時の少年たちの心をつかみました。
第二次ミニ四駆ブームでは、このオプションパーツが特に豊富にあり、より独自性が出せたのも楽しかったポイントですね。
12.カードダス
(出典:オモチャラヘッチャラ)
カードダスはバンダイが発売したトレーディングカードのガチャガチャです。
最初に市場に出たのは1988年で初期のラインナップは「SDガンダム」が主流でした。1枚20円ということもあり小学生でも手が出しやすく、コミックボンボンとのタイアップで徐々に人気が出ていきました。
1991年になると一番人気は「ドラゴンボール」で、その後は女の子向けに「美少女戦士セーラームーン」、人気テレビゲーム「ロックマン」「ストリートファイターⅡ」のカードダスが販売されていました。
現在も人気の高いトレーディングカードの先駆けでもあり、90年代はおもちゃ屋さんだけでなくスーパーにもカードダスの自販機が置かれており、どこでも買えるのも特徴でした。
13.ゾイド
(出典:マグミクス)
ゾイドが世に出たのは1980年代からでした。
当時は動物や恐竜がモチーフで、尚且つ近未来的なフォルムのプラモデルは珍しかった記憶があります。
更にモーターやゼンマイを組み合わせて歩行したり武器を動かすギミックが仕込まれていたりと普通のプラモデルではないのは子供心にも感じました。
プラモデルのデザインやフォルムも男の子の心を大いに刺激するものであり、尚且つ世界観やストーリー性もしっかりとしていたので人気が高かったのもうなずけます。
そんなゾイドの人気に更に火が点いたのが90年代にアニメがスタートしてからではないでしょうか。
昔のプラモデルはパッケージのイラストと実際に組み立てた完成形にギャップが大きいものが沢山ありましたが、ゾイドはパッケージのイラストも実物も格好良くて差別化ができてたのも良かったですね。
14.スーパーファミコン
(出典:BuzzFeed News)
80年代はファミコンが社会現象になるほどの大ヒットに。その後継機にあたるスーパーファミコンは1990年11月に販売されました。
ファミコンのヒット以降、テレビゲーム機とそのソフトがおもちゃ屋における高額商品のランキングを塗り替えたといっても過言ではありません。
販売店が高額なスーパーファミコンを売りたいがために、クリスマス前の時期になると陳列棚のレイアウトがスーパーファミコン仕様になっていたとも言われています。それでも販売当初は品薄でお店に行っても買えなかった人もいましたね。
2003年の生産終了まで実に販売台数4,910万台(全世界累計)という驚異的な記録を打ち立てています。
販売されたソフトも「スーパーマリオワールド」「ゼルダの伝説 神々のトライフォース」「ファイナルファンタジーIV」「ドラゴンクエストV」などなど、多数の名作がありました。
15.ゲームボーイ
(出典:BuzzFeed News)
ゲームボーイの方がスーパーファミコンよりも販売開始が少し早く、1989年に販売しています。
任天堂ではスーパーファミコンも同時に開発しており、同時期には他社のメガドライブやPCエンジンが流行っていて、今さらモノクロのゲームが売れるのか?といった疑問もありましたが結果は大ヒット。
8ビットでモノクロな画面でしたが、画面サイズが小さいこともあり本体の処理速度は早かったように思います。
販売当初は携帯ゲーム機の先駆けとしてブームになりましたが、その後は少しトーンダウン。
1996年に「ポケットモンスター赤・緑」が販売されるとゲームボーイ人気が再燃。その後1999年に販売された「ポケットモンスター金・銀」も大人気でした。
1998年にはカラー表示のゲームボーイカラーも販売されました。
男の子の間で流行したおもちゃを紹介してきました。ここからは番外編として女の子の間でも流行したおもちゃについて紹介します。
16.たまごっち
(出典:BuzzFeed News)
90年代に大ヒットしたおもちゃで外せないのがこれ、たまごっちではないでしょうか。
男子がデジモンで育成+バトルを楽しめたのも、その前にたまごっちの大ヒットがあればこそ。
たまごっちはたまご型の小さな電子ゲーム機で、カラフルでキーチェーンが付いていたりと完全に女の子向けのおもちゃでした。ゲーム内の「たまごっち」にえさをあげたり世話をすることで「たまごっち」の世話をしていくゲーム。
世話を忘れると機嫌が悪くなったり「おやじっち」といった別のキャラクターに育ってしまったりと育成ゲームの走りでもありました。
元々は女子高生向けに発売されましたが、1996年に発売されるとあれよあれよと大ヒット。社会的なブームとなり1997年には女子高生以外の層にも流行しました。
家族にお姉ちゃんか妹がいる子は色々とたまごっちに関して詳しかったり、男の子でも持っている子は多かった印象があります。
大ブームで常に品薄状態、在庫がない状態でしたが、販売メーカーであるバンダイが増産して売ろうと思った時にはブームは終了。
たまごっちは不良在庫の山になり、最終的に45億円の赤字になってしまったという逸話を大人になってから聞いたときは少し切なくなりました。
90年代のおもちゃを紹介しましたがいかがだったでしょうか。
現在のハイテクなおもちゃもいいですが、アナログと電子的なゲームが混ざったおもちゃとか実に90年代らしくて懐かしいですよね。
子供の時はただ楽しんでいただけのハイパーヨーヨーやミニ四駆も、過去に存在したおもちゃをリバイバルさせる手法にはメーカーの企画力や意欲が感じられて面白いですね。
たまには童心に帰って子供の時に遊んでいたおもちゃで遊んでみると新しい発見があるかもしれませんね。